493 鬼に連れらて その4
今回はカグヤ
「なんで、アタシがわざわざ西まで行かないといけないのかが理解できひんねんけど?」
「いいやん、わざわざ、追っかけてきたってことはそういうことやろ?」
「違うわ!あんたが、これ忘れて行ったからでしょ!?」
紫は、紅がいつもぶら下げてる皿なのか、杯なのかよくわからない物を持ってきた。
「よーうちらの場所わかったな、丁度大河の方向かっててんねんけど・・・紫も行くで!」
「そうやな、ちょうど・・・あの巨大魚たちの肉が引き締まる時期やもんな・・・引き締まったら、絶品なんやで?」
「その魚を酒のつまみにってどうや?」
「なら、乗った!」
鬼って、衣食住のうち、衣食しかこだわってないよね・・・住むところなんて大体フラフラしていきついた先か、街中で普通に住んでるかかしかないんだけど。若しくは住所不定か・・・この二人の鬼は確実に住所不定だとおもうけど。
「よっしゃ、なら行くで!」
「アンタのその魔剣に似たのアタシにも打ってくれないからな・・・」
「残念やな!これはうちの貰いもんやからな!名前もちゃんと彫らしたで?」
「どこの文字やねん!読めへんがな!」
紫って鬼は機嫌がいいと気か、気持ちが高ぶってるときは、紅と同じ言葉になるんだ・・・
「何でもイマイリョウって読むらしいで。」
「リョウね。あんたが言ってたやつか。凄いな・・・一振りで100位の敵倒せそうやな・・・」
「やんな!うちも、こいつで試し切りしたろかと思ってんけどな、振ったらまずいって思ってな振るンやめたぐらいあからな!」
あれ、冗談のつもりじゃなかったんだ・・・いくら不死身だからって・・・ひどすぎでしょ。
「やな・・・それなら、水竜とかも何の苦労もなくサックといけそうやな。」
「やろ!?紫もわかってきたなー。」
「あんまり、乗せんなや・・・アタシとしたことが、ホンマアンタめんどいわ。」
「一回行くっつてんから、ちゃんと一緒に行くで?」
「その代り、水竜とかちゃんと食べるからな?」
「あいよ。」
ホントに食べるの?水竜って魚人族が数十人がかりで倒すってやつでしょ?稀に魚人族が都まで売りに来るらしいけど、あいつら、耳が魚のヒレだかなんだかそんな感じになってるだけで、それ以外全く同じだから・・・いても気づきにくいんだよね。
「水竜かぁ・・・20年前ぐらいに氷の上に無理やり引づりだした時以来やな。」
「アタシは2年ぶりやで?あいつら、冬季はサブいからあんまり動きたくないんだけど、どうしても食べたくなる位美味やからな・・・」
「ウチは紫程、食にはこだわらんからな・・・酒にはこだわりは少しはあるけどな!」
引づりだしたってどんな無茶苦茶なことやってんの・・・鬼ってそんなことするの?どうやって引づりだすの?
「カグヤお前、どうやって引づりだしたか気になってんな?」
「はい・・・」
「釣りや。大河の結構進んだ場所でな。」
「そう、あれが食いついたら引っ張る、結構な力で引っ張ってくるけどそれに負けないように、グイッと、引っ張ったら終わりやで?簡単簡単。」
「簡単じゃない・・・」
「結構簡やんな?釣り糸は一反木綿や。」
「それ妖怪なんじゃ・・・」
「あれを、な糸状に引き裂いてやそれを垂らす、それだけや。」
紅は何を言ってるんだ・・・妖怪を釣り糸替わりって・・・鬼おそるべし、感覚がやっぱり人と違う。
一反木綿・・・好きでしたよ!




