472 旅の9日目夕 人間道 その1
今回は今井君
「いてて・・・ここはどこだ?」
見た感じだと、あの世?
雲の上みたいな感じだし、あ、でも水蒸気じゃないぞ?なんじゃこりゃ。
「けがとかは・・・黒い靄と、何か正体不明の衝動に駆られる位か。」
全くだよな、信長もどうやらベラドンナ体がやってくれたのかないし・・・これやっぱり死んだのかな。でもこんな天国っぽいところで、こんな場違いみたいな靄だしてるし。
「おーい、ベラドンナ!シエル!」
まぁ、流石にいないよね。
ここにまで、いたりしたら流石にヤバいのかな?
「それはまずいかも知れないな。」
しかしこの場所は青空だな・・・
「アイタ!誰だよ、いきなり叩いて来た奴。」
「私よ!コチョウだよ!」
こいつがなんで、ここにいるんだ?まさか、こいつも何かに巻き込まれたのか・・・
「・・・誰もこんなとこ来れないでしょうけど、シエルとかならもたもたしてるとここに来そうだね。」
「だねじゃなくて、ここどこ?お前は本物か!?」
「ほんと失礼ね、私は本物だし、ここはリョウが作った場所だよ?私はリョウがえげつない勢いでダメージ喰らってるみたいだったから、助けに来たんだけど・・・さっきも倒れたから、傷は治してあげたけど・・・その黒いの何?」
「わからない・・・けど・・・」
「それに、なんか変・・・」
「俺はいつも通りではないと思うが。」
「違うの!?」
「なんか変な気分・・・」
「まさか、私を見てムラムラしたとか?やめてよね、変態!」
「誰が・・・」
あー信長が原因かわからないが・・・この感情は信長に体を奪われる前にも少し感じたな・・・少しというか、ガッツリだけど、殺人衝動ってやつか・・・まずいな、コチョウなら襲っても逆にこっちがやられそうだけど、流石に、こんな戦闘状態でもないようなときに、やるのは・・・まずい。
「ねぇ、まだ痛むとこあるの?回復魔法はちゃんとかけたんだけどな・・・もっかいかけてみる?」
「近づくなってば・・・」
「え・・・ごめんなさい、迷惑だよね・・・ごめんなさい。」
「そうじゃなくて・・・」
あああ!ジレッタイナ・・イライラもしてきたぞ・・感情が崩壊してるのかな?いや、むしろイライラ、ガァァって暴れたくなるような感じだ・・・
「ねぇ、でも大丈夫?なんだか、様子が変だけど・・・」
なんで、また近づいて来たんだよ!?
「ホントに大丈夫?」
「大丈夫・・・」
「ホント?どこか苦しいところとかない?」
「無いって言ってるだろ・・・」
「う・・・ごめんなさい、迷惑なんだったら帰るけど。」
ああ、ダメだコリャ。
「キャッ!!」
オーノー殴り飛ばしたぞ・・・靄の噴出量が増え始めてきたし、なんかイライラっていうか、暴れたいっていうか・・・
またお前か今井君・・・




