466 旅の9日目昼 信長 その1
今回は今井君
「やっと追い詰めたで?なんか、呆気ないけど・・・運がなかったな!それにあんたの顔はよく覚えてんで?そのいま持ってるやつで、うちのこと切った張本人やないか!」
「・・・」
何かの建物の中で、追いかけてた女の人は隠してた信長を構えてきた。
「ここまで、来てまだ諦めないんですか?今、あなたのこと調べましたけど・・・不老不死らしいですね、自分の国でもほしくなりましたか?罪深な人ですね、それに、不老不死なんて所詮私たちの敵じゃないんですよ?」
やってみないとわからないといわんばかりに・・・突進してきたが。
「アンタは鬼のことなめすぎやわ、それとも、うちのことをなめてんの?」
片手でっていうか、指2本で止めた・・・鬼スゲェ。
「取りあえず、これはへし折ってやるからな。」
「な!?」
本当にへし折った・・・こっわ・・・破片が右手に刺さったんだけど・・・イタタ。
「これで、王手やな。負け認めたらどうや?」
「く・・・よくも!」
「何怒ってんねん、怒ってんのはうちらやで?迫害っていうんか?個人じゃ鬼は大したこと無いとか思っててんやろ?うちも寝てるとこ襲われてんけどな・・・そんなことより、まだやる気か?それ、明らか戦闘向きじゃないよな?結果見え見えやで?」
なるほど・・・確かにってか、こっちの方が悪者の気がするんだけど。
「あーあ、思ってたよりも、呆気なくてこっちがおかしくなりそうやわ、なんか、うちの方が悪役みたいになってきてもうたしな。どうしてくれんねん!」
うわ、更に刀身へし折って、投げ捨てた・・・あーあ、かわいそうに腰抜けてるじゃん、逃げてた人。
「なんか言ったらどうなん?」
「・・・お前らなんかに何も言うことはない。」
「紅様ー多分それが呪具ですよ?」
「そうなんか?なら、没収やな・・・」
バシってぶんどったぞ・・・あいつ鬼だ!あー本物の鬼だったか。
「これで、一件落着やな!」
そういいながら、扇子みたいなの握りつぶした。
「そうですね、他にも呪いで苦るんしんでいた人も救われるていると思います。」
「そうやな・・・そういえば、信長で刺されたら、人操れるんやったな、もうへし折って存在せーへんねんけどな!」
「紅様あれ、一応結構歴史あるものだったんですよ?」
「あ、マジで!?それはやってもうたわ・・・ないものは仕方ないもんな。」
「うう・・・」
「あ?なんで、アンタが泣くねん、泣くのはうれし泣きでうちが泣くのが普通やろ?」
「ちょっとご主人様、あの子の状況では言いづらいのですが。」
ベラドンナが小声で話しかけてきた。
「彼女が将軍とか東の国の人とかを操ったり、武器に強力な呪いを付けたりしてたんじゃなくて・・・」
「え?あれじゃないの?」
「あれが張本人みたいです。」
ベラドンナが指さしたのは、折れて刀身がない信長。
「先程、紅様があれをへし折られたとき破片が当たりまして、その時刀の声がきこえまして・・・」
「どうかした?」
「いえ、ご主人様は意外と戦う気満々だったんですねって・・・」
「いや、今回は絶対平和的に終われたよね?いや、終われたでしょ?シエルと紅が性格的に攻撃的だからね、なら、あのひとかわいそうだね・・・信長に操られてたんでしょ?なのにいま、全力で言葉責めを受けることになって・・・泣いてるじゃん。」
『殺せ・・・』
ベラドンナはそんなに、人を罵倒するタイプの人じゃないと・・・




