42 ジンジャーと食事しました。
今回も今井君視点。
「じゃあ、これが依頼達成の報酬の半分ね。」
ジンジャーが俺に700マナヴ渡してきた。このクエスト1400マナヴの依頼だったからほんとに半分渡してきたのか。
「ねぇ、リョウって昨日ギルドに入ったっていう期待の新人さんでしょ?」
「確かに、昨日入ったと思うけど、期待の新人は他の3人のことだと思うけど。」
「リョウのあの攻撃を見てピンと来たもん。この子、人族にしてはむちゃくちゃな強さしてるって。」
「他の3人っていっても一人はエルフだけどの方がけた違いに強いと思うけど。」
「私達一緒に戦った仲じゃない。それに、あなたのことはマスターに聞いてたのよ。」
あいつ、勝手なことを言いふらしやがって・・・この世界の人間は見た感じ努力を全くしてないやつが大半のようだしな、この世界では、努力すればするほど強くなれるし、発想力があればあるほど戦いが有利になるっていうのを知らんのか?俺程度を強いというとは・・・マジで魔王攻めてきたときどうする気なの?
「そういう、ジンジャーもかなり強いじゃん。敵の急所を的確に撃ち抜いていたし。」
目潰しとかあれ、かなりえげつなかったと思うから。
「私はそんなに強くないわよ。」
この人なんか、赤羽根さんに似てる気がするな。
「強いし、美人だし、優しいし、きっといろんなところから誘われてるんじゃないの?」
「あなたのお友達ほどじゃないわ。」
「え?先輩とかってそんなに人気なんですか?まぁ先輩とかはみんなルックスとかいいですもんね。」
「そうそう、夜一緒にあの店で食べましょ。あの店安いのにおいしいのよ。」
「ジンジャーはそういうのに詳しいのか。」
「食い意地が張ってるとか思ったでしょ?」
「いや、少ししか思ってない。」
そういうのに敏感なんだな。
「まぁいいけど、」
俺たちは中に入った。
「いらっしゃいませ。二名様ですね。」
こういうのは日本と同じなんだな・・・。
「二名よ。」
「では、案内しますね。」
ファンタジーな服装の店員に一つのテーブルに案内してもらった。
「こういう感じのお店が王都では普通なのか?てっきりギルドの酒場みたいなところが普通かと思っていたけど・・・。」
「こういう感じのところは嫌だった?こっちの方が静かで落ち着くのよ、二人なら私はここによく来るわ。王都でもギルドみたいなところの方が普通だからあまり変なこと覚えちゃだめだからね?」
「そうか、ならよかった。」
「今日初めてあったのに、初めてじゃないみたいね。」
「それは、お前が少しなれなれしいからだろ・・・。」
「よく言われるわ。」
ジンジャーは誰にでもなれなれしいのか。
「これ、なかなかおいしいな。」
「でしょ、私のお勧め料理なんだから当たり前よ。」
「しかも、安いよね。」
「そうよ。また、違うお店にも連れて行ってあげるわ。」
「それは、楽しいだな。」
「そういえば、リョウがこっちに来た理由は聞いてなかったけ?」
「覚えてないな。」
「なら、教えてよ。」
「さっき、言ってたエルフのリリアナがこっちにきてSランクの大会がなんちゃらって言ってな。」
「あの大会にリョウも出るの?」
「おそらく、ほかの2人も出るだろうし。あと、マスターを次は倒してみたいんだよな。」
「大会は半年後よ、半年後予選が始まるわ。」
「予選か・・・。」
「まぁ、あなたならトーナメントには出れると思うわ。私じゃ無理だけど・・・、だから、私はこの半年の間に強くなるんだ。生まれた時から実力や才能が決まってるわけないって、私は思ってるし。」
「・・・。」
「あはははは。生まれた時から決まってるのが当たり前なのに・・・何言ってんだとか思った?」
「いや、そういうの初めて聞いたから、なんか納得しただけ。」
それなら、人族が頑張らない理由か・・・。間違ったことを信じているのか。
「そうだ!リョウ私とチームを組みましょ。あなたとなら二人チームでも問題ないわ。」
「チーム?永続のパーティーみたいなのか?」
「そうよ、まぁ、あなたには他の3人がいるんでしょうけど掛け持ちでいいから、考えておいてくれない?」
「わかった。」
ジンジャーは悪いやつじゃないのは今日一日でわかったつもりだけど・・・。
いきなりそんなこと言うもんなのかね?
今回は特にありません。




