413 旅の5日目朝 何かの契約
今回はベラドンナ
「ご主人様は朝早くから何されてるのですか?」
「もしものための・・・まぁいいか。」
何かの水晶のようなものの中に文字や数字、何かの図のようなもの物が大量に浮かび上がっている。
「朝食にはまだ早いので、それが終わりましたら声を掛けてください。」
「了解。」
ご主人様が何をしているのかは少々気になりますが・・・朝食の用意でもして置きましょうかね。
「あ、ちょっと待って、ベラドンナはさ。んー俺のためになんでもしてくれるんだよね?」
「私にできる範囲内でしたら、何でもいたしますが?」
「じゃあさ、ここにちょっとでいいから魔力を流してくんない?」
「ここですか?」
先程の水晶に様々な文字や数字などでできた円の中心に手をかざした。
「そうそこ、ちょっとでいいからね?」
「こうでよろしかったでしょうか?」
「うん、ありがと。」
ご主人様は小走りで魔導四輪に戻っていった。
「何かの契約・・・何の契約だったのでしょうか。」
契約をされたのはわらないが、私がご主人様に何らかの契約を掛けたことだけは理解できた。ご主人様のもしものための・・・という言葉が気になりますが、何の契約だったのでしょうか。確認を取っておくべきだったが、恐らくご主人様ならいいから、と内容は教えてはくれなかったでしょう。
「何の契約かだけでも教えてくださっても良かったのに・・・」
それから、割とすぐにご主人様は私のところに来た。
「さっきはありがとう、おかげでマジックアイテムみたいなの出来たから。」
「内容をうかがってもよろしいでしょうか?」
「ベラドンナに損はないよ。」
「いえ、契約でしたら中身を知ってる方がよろしいかと。」
「もしものことがあれば、ベラドンナに魔法を全部渡すってだけ。だから気にしなくていいよ。」
ご主人様は何か死期の様なものでも悟ったのだろうか?だとしたら、とてつもなく寂しい・・・
「ご主人様にもしものことがったりしたら・・・」
「大丈夫だって、死にはしないし。無茶な実験でもするわけじゃないし・・・だから、安心して?エーアイとの契約は切れてたみたいだし・・・あの時じゃまだ長期の契約が出来なかったから・・・今度のは多分無期だと思うけど・・・同じ契約は出来ないから・・・全権限を渡せないのは残念かな。」
「ご主人様・・・まさかとは思いますが、ご主人様自身で自分に契約などはしてないですよね?」
「しないよ、よく覚えてないけど何かトラウマみたいなのがあるから。」
契約とか知らないでやったらあとで痛い目に・・・




