384 旅の2日目夜 入浴
今回はベラドンナ
「ごちそうさまっと、じゃあ俺から先に行くから。」
「お着替えもお持ちになってください。」
ご主人様に私はご主人様の寝間着を渡した。
「お、ありがとう。終わったら呼ぶから。」
ご主人様は創造魔法で作られた場所へ向かわれた、私は取りあえず退室をしておくことにした。
「あ、あいつのメイドじゃん、何してんの?」
修道女見習のエコー様が隣の部屋から出てきた。
「ご主人様は入浴中ですので、部屋の外で待機しております。」
「部屋になかったと思うけど?」
「ご主人様がどこかの場所につなげてそこで入浴されています。」
「ふーん。」
「エコー様も入浴をしに行くのでしょうか?」
「私の場合は水浴び・・・この近くの小川で浴びてくるだけ、汗べったりなのは嫌だから。」
「日はすっかり落ちてしまったので道中はお気を付けください。」
「このあたりには魔物は出てこないはずだから大丈夫よ。」
「それとあたりは暗いと思いますので、これをお使いください。『光魔法・照明玉』」
私は光の玉を作った。
「こんなの付けて水浴びしてたら、見られるじゃん・・・」
「タオルなどで被せるだけで光は消えます。」
「外せばまた光るってことね・・・ならいいわ。」
エコー様は光の玉を連れて出ていかれた。
髪の色こそ違うけど、エコー様はコチョウ様と結構似てる気がする・・・コチョウ様と違いおどおどした態度は無いというのも違う点でしょうか?反応はかなりコチョウ様に似てましたが。
「ベラドンナーどこ?どこ行ったの?」
大き目の声でご主人様が私を探してるようだったので私は中に入った。
「お呼びでしょうか?」
「上がったから次入っていいよ。」
「わかりました。すぐに入ります。」
「そういえば、昨日は俺の方がさっさと寝たけど・・・メイド服のままなの?」
「ご主人様のそばにいますので正装でいたほうがよろしいかと。」
「おれみたいに寝間着でいいんじゃないの?」
「ご主人様の命令とあれば。」
「命令ってわけじゃないけど・・・お願いしておく。」
ご主人様はやっぱり優しい。
「わかりました、では。」
「うん。」
私はご主人様が作られた世界に入った。
怠惰の大罪で力を大幅に使えないと聞いてましたが、水ではなくお湯・・・温泉地とでもいえばいいのだろうか、川のようだが、温泉のように暖かい。
「この穴・・・ご主人様はこの穴に温泉をためて入られたのでしょうか。」
わざわざ、石まで並べて温泉ぽくしてある。ご主人様は意外なところにこだわりを持たれているようだ、この前もご主人様の部屋に飾ってあった4本くらいの剣を見てみると剣の刀身の部分にご主人様と赤羽根様、本村様の3人が楽しそうに笑ってある姿をある角度から見ると見えるように彫ってあったり、リリアナ様とジンジャー様とコチョウ様とご主人様だったり、私達メイドとご主人様だったりと、それと全員の集合したものまであったと思う。
「しかし、ご主人様のセンスはいつでもピカイチですね。」
ただの穴ではなく、これは温泉にしか見えない位の出来だった。
今井君は変なところを凝る・・・




