352 研究生活2日目夜 騒動
今回は今井君
「待ってくださいよー!!」
なんだ?廊下で走り回ってるうるさい連中は・・・人がそんなにいないから別にいいけど。
「シエルじゃな・・・全くコチョウも子供じゃからな、さっさと仲直りをしてしまえばいいものを。」
「リリアナも子供だろ?俺は早く風呂に行きたいんだけど。」
「なら、大浴場で一緒に入るのじゃ。」
「ヤダよ。お前には羞恥心とかないのかね?」
「何も恥ずかしがるような体じゃないのじゃ、強いて言えば、将来性のあるからだということじゃな。」
「つーか、その頭凄いな。ツインドリルヘアーってやつか。」
「ツインロールじゃ。ドリルとは失礼じゃな。」
「ドリルみたいだったから。」
「こんなにふんわりと巻いてきたのじゃ。じゃが、リリアナを見てるのはわかったのじゃ。」
「嫌でも目に入るだろ・・・今から風呂入るのに無駄な努力過ぎだろ・・・」
「無駄かどうかは、本人が決めることじゃとリョウはいつか言ってたのじゃ。少なくともコチョウたちはそう思ってるのじゃ。」
「コチョウと俺何も関係ないだろ?」
「リリアナには嘘も何もかもお見通しじゃからな。」
「嘘なんてついてないけど?」
「何も言ってないことも全部知ってるのじゃ。」
「知ってるじゃなくて、見えてるんだろ?」
「そうじゃぞ?リリアナの目は便利じゃからな。」
「いいよな・・・俺のは魔力視と変わらんし。」
「ただの魔眼ってのもほとんどの人が持ってないと思うのじゃが。」
「役に立たないからね・・・これは。」
「そんなことはないと思うのじゃが・・・」
リリアナは何をもって役に立つと言い切れるんだ?
「マスタァーー待ってくださ・・・大丈夫ですか?」
「こけたようじゃな・・・なんともドジなコチョウじゃな。」
「ドジョウ?」
「む?前からコチョウはドジなとこが多かったからいつかとは思ってたのじゃが、今のは痛そうな音じゃったな、大丈夫じゃろうか。」
「なら見に行くか。」
「うむ、気になってたからちょうどよかったのじゃ。」
「うわ、半泣きじゃん・・・リリアナこれじゃ、ただの野次馬だぞ。」
「本当じゃな。かなり痛かったのじゃな。」
「お、ジンジャーが走ってきたぞ。」
ドアの陰から覗いてる俺らも相当変な連中だけどな。
「お、今度はエーアイも来たのじゃ。」
「何か言ってるけど聞こえないな、俺らも行くか。」
「リリアナは普通に聞こえるのじゃがな。」
「地獄耳なだけはあるな。」
「それほどでもあるのじゃ。」
「あるのかよ・・・」
「シエルのせいで、皆来たじゃん・・・」
「私ですか?マスターが泣くからじゃないんですか?」
「泣いてないもん。」
「泣き虫コチョウじゃな。」
「みんなが来るから・・」
「リリアナもリョウもほら、戻って。エーアイは多分そんな治療とか大丈夫だから、戻っていいと思う。」
「マスターの泣き顔ぜひ写真に収めたかったのに、残念です。」
シエルの立ち位置ってコチョウと俺を入れ替えるとエーアイに当たるわけだろ・・・エーアイがあんなのになったら・・・ちょっと恐ろしいな。襲われたら確実負けるじゃん。
「仕方ないのじゃ、リョウも戻るのじゃ。」
「う、うん。」
にしても、コチョウが女々しくなるとはね・・・想像以上に女々しかったな。俺がオネェだったのか?なわけないしな。別人ということにしておかないと頭がおかしくなりそうだな。
今井君は周りに任せる感じ?




