340 研究生活2日目夕 時間処理
今回はリリアナ
「空間魔法とも似てますが・・・こんな感じで。」
小さな空間のようなものがエーアイの手のひらの上に現れた。
「なんじゃそれは?」
「あまり広さはありませんが・・・ただの森です。ここには木しか存在しませんが。」
「どういうことじゃ・・・?」
「空間魔法は、この場所を拡張、縮小などしかできませんがこちらは違います。ご主人様ならば、無限大の広さを作ったり、何もない世界を作ったり。無限に続く草原を作ったりと、大体のことは可能かと。」
「なるほど・・・エーアイじゃとどのくらいのことが可能なんじゃ?」
「私ですか・・・これを見てもらうのが一番早いかと。」
エーアイの手の上にあった、空間がリリアナの前にフヨフヨと飛んでくる。
「なんじゃ?」
リリアナそっくりなのが森の上に現れた。
「リリアナ様の情報を元に、リリアナ様を再現したといえばよろしいのでしょうか。」
「ふむ・・・このリリアナがどうするのじゃ?」
「ここから、一気に1000年ほど時間を進めることも可能です。」
超速で森の一部が壊れて、家が出来て、村が出来て、国が出来た。
「何が起きたのじゃ?」
「リリアナ様が1000年で国を作られたということです。リリアナ様にはほんの一瞬ですが、この世界では、1000年たっています。」
「リリアナが1000年たつとああなるのか?」
「リリアナ様だけでなく、10人ほどの男女ペアを用意した結果です。」
ふむ・・・色々と出来るのじゃな。エーアイにはこれらの情報を処理できるだけの脳があるってことじゃよな。改めて、エーアイの頭の良さというよりも何かの差がはっきりとわかってしまうのじゃな。
「どうかされましたか?」
「いや、リリアナは誰と結ばれてるのかと思ってじゃな。」
「リリアナ様ならば、ご主人様とというようにしておきましたが。」
「リョウと・・・フムフムどこにいるのじゃ?リリアナならば、まだ生きておるじゃろう?」
「リリアナ様ならば、城の中にいるようですね。表示します。」
おお、これがリリアナじゃな?女王化よりももう一回り、歳をとってるようじゃな。
「随分と、ご立派になられてますね。リリアナ様は1000年も経つと見違えたかのように美しくなれるようですね。」
「リリアナは別に子供じゃないのじゃぞ?」
「その、煽ったつもりでは・・・」
「大丈夫じゃ、別に気にしてはないのじゃ。」
「申し訳ございません。」
うーん、意外とエーアイもお茶目なとこがあったりするのじゃな。しかし、エーアイの世界では、なぜ、リリアナの後ろにエーアイがいるのか気になったりするのじゃが。
「私には、時間処理も可能ですね。」
「時間までも可能なんじゃな・・・」
時間の処理は今井君ではできない。




