329 お店経営2日目朝 朝の出来事
今回はコチョウ
「ちょっと、なんで朝からオーダーメイドの依頼があるの?開店時間まだの筈でしょ?」
「いえいえ、昨日のうちに取ったものですよ?」
「バカシエル、もっと早くに言ってよ。」
「あえて、困らせるためのものです。私は物事を忘れたりしませんからね。」
「でも、思ったほどじゃないわね。3つ?」
「く・・・もっとオーダーメイドの依頼してもらえば良かった・・・。」
表にそんなに顔出してないけど、大繁盛というよりは物珍しさで買った感じなのかな?
「う・・・」
「ほら、シエルが騒ぐから起こしちゃったでしょ?」
「私ですか!?どちらかと言えば、マスターの方がうるさいですよ?」
「私はお淑やかな女性を目指してるんだから、そんな真似するはずないでしょ?」
「どの口がいうんですかね・・・可愛い口だった。」
「開店まであんた暇でしょ?手伝って、と言いうよりも手伝いなさい。」
「なるほど、命令ですか?ですけど、あの方起きちゃってますよ?」
「あ、ヘカティーさん起こしちゃいました?まだ、疲れてるようでしたら、どうぞ横になってください。」
「いえ、その必要はないわ。コチョウちゃんのおかげで色々と自己解決できた・・・のかな。」
「ジンジャー様が到着する前に出ていかれたほうが賢明ですよ?ジンジャー様が貴方のことをどう思ってるかまでは、私にもわかりませんから。ですが、マスターの味方ということは知ってますけどね。」
「もう出ていくわ。コチョウちゃんありがとね。今度お礼するわ。」
「私何もしてないですよ。全部ヘカティーさんの力です。それこそ、本当に無駄じゃない努力だったとはっきりと言い切れます。」
「努力ね・・・これからは何を頼りに生きていこうかしら。」
この人の生き甲斐でもあったんだよね・・・それを奪ってしまったことになっちゃうのかな・・・。
「・・・マスターの責任は何もありませんよ。」
「え?何もいってないでしょ?」
「顔を見ればわかります。愛さえあれば・・・」
色々と怖い理屈だけど・・・
「それにヘカティー様あなたはやることがないのでしたら、魔王軍のところか、リョウ様の研究所の方になら私から何とか話をつけれますが?」
「そこまでしてもらう必要はないわ。なにか、やりたいことを見つけるわ・・・」
「何か、いい趣味が見つかるといいですね。」
「そうね・・・あなたみたいに凄い工作が出来るわけでもないし、魔導士でもやりながら考えておくわ。」
「頑張ってください。応援してます!」
「あなたって本当に純粋ね。」
「当然です!マスターは純粋な力もその可愛さも群を抜いてますからね。」
「ちょっと何言ってるのよ!」
本当にシエルは・・・
「じゃあ、また会う機会があれば会いましょう。ありがとうね。」
「ヘカティーさんこそ、お気をつけて。」
ヘカティーさんは店の裏口から出て行った。
「ねぇ、さっきから何を見てブツブツ言ってるの?」
「え?寝顔写真を見てですよ。見ます?」
がっつりと私の寝顔を盗撮されてる・・・
「『炎魔法・ファイア』」
「いきなり何するんですか!?」
「恥ずかしいもの見せてきたからでしょ?」
「まぁ、ちゃんと魔法で保護してるんですけどね♪」
ほんとに腹が立つ笑顔ね・・・
多分、ヘカティーは出てこないはず・・・




