321 お店経営1日目夕 ヘカティー その2
今回はコチョウ
「攻撃的な態度なんて取ってないでしょ?シエルは何言ってるの?」
「マスターやジンジャー様のような誰にでもやさしくするような心は、私には持ち合わしておりませんのでわかります。この女は下手すれば、ここで魔法の1つや2つぐらい簡単にしてきますよ。と言ってもこの場に私がいる以上そんなことはさせませんけどね。」
「・・・確かに少し態度が悪かったと反省をするわ。」
「シエル・・・?怒ってるの?この人はそんなのしないからね?」
「ですが・・・マスターがそういうのなら。」
絶対納得してないでしょ・・・ジンジャーもいい気分じゃないみたいだし。
「それに私気づいてないから、リョウも私も甘ちゃんだっての知ってるから。」
「マスター・・・落ち着いてください。」
「コチョウもシエルも人前での態度じゃないわ。」
「ごめんさない。でも、あなたが5年かけたことが無駄だっていうのは間違ってのは謝らない。」
「マスターは意地っ張りだから・・・」
「・・・似たようなこと言われたわ。本当に無駄じゃないというの?」
「そんなの、社会に出たら当たり前のように変わることですよ?今までそれこそ10年ぐらいかけて進めてた企画をいきなり変えられたりすることだってあるって聞いたことありますし・・・でもその作業は無駄でも、経験は無駄じゃないはずですよね?」
「そんなにポジティブな思考は普通出来ないわ。」
「あなただって、いろんな研究したらほんとはわかってるんでしょ?そんな方法はないってこと。時間だって戻ることは出来ないのに。」
正確には出来るんだけど、できない。出来るけど出来ない。っていうべきなのかな。
「・・・」
「マスター・・・」
おどおどしてるシエルは斬新ね。
「ほんとは気づいてから・・・助けを求めるんでしょう。」
ジンジャーはさっきから沈黙を続けちゃってるし。
「・・・私にできるのは友達になることぐらいだから。そんな無理なことリョウにも頼まないでほしい。」
「・・・」
これでわかってくれたら話は早いんだけど・・・さすがに無理かな。
「マスターも、ヘカティー様も今日は話せる状態ではないので、今日はここまでにしましょう。思ってたよりも時間がかかりましたし。ヘカティー様ご案内しますのでこちらまで。」
シエルに連れらてヘカティーは出て行った。
「・・・コチョウ凄いわね。コチョウもあんなこと言うんだね。正直驚きだったわ。」
「なんで?私何かおかしかったかな?」
「いいえ、おかしくはないけれど・・・意外だった感じかな?あなたがそんな風に考えてたなんてってこと。」
「そう?」
「ええそうよ、じゃあ私もそろそろ戻るわね。」
「うん。」
「あ、コチョウいうの忘れてることがあったわ。」
「なに?」
部屋の出口の前でジンジャーは言う。
「楽しい仕事に誘ってくれてありがとう。」
「どういたしまして♪」
強制退出をさせられた・・・




