31 王都に到着しました。
今回は短め
今井君視点。
「では、出発じゃ。」
リリアナは水晶の玉のようなものを掲げた。
「それが、マジックアイテムというやつだな!」
「先輩、今更ですか?」
「はっはっは!まぁ良いではないか!」
「そうですね・・・。」
「王都でもそのテンションで行くの?」
「はっはっは!今の俺に不可能はない!」
「大きく出ましたね。」
「不可能はなくてもやらないことはあるけどな!」
「逃げましたね・・・。」
「では、そろそろ行くのじゃ。みなはリリアナのそばにいるのじゃぞ?」
リリアナの近くに俺たちは集まった。
「では、出発じゃー!」
「よっしゃぁぁぁ!!」
「それ、久々に聞いたわ。」
「同じく。」
「はっはっは!何事も楽しまねば損だからな!」
先輩は先輩のままのようだ。
「本村君は相変わらずね。王都で浮くわよ?」
「大丈夫じゃぞ、みんなこんなテンションじゃ。」
「ずいぶんと熱狂的な街なのね・・・。」
赤羽根さんがやれやれといった態度をとっていた。
む?あいつ地味に見に来てるのか・・・。
木の陰に隠れた、元木の人形ちゃんは森に残しておくことにした。帰ってきたら名前つけるからと言ったら、目をきらめかして、ここで待ってます。とか言ってたっけ。
俺は一応手を小さく振ってみた。
元木の人形ちゃんは小さく礼をしてきた。
それと同時に、リリアナの足元に魔法陣のようなものが出てきた。
「道具でも魔法陣がでるものなのね・・・。」
赤羽根さんのその一言を残して俺たちは王都へ瞬間移動した。
「うむ、みないるようじゃな。ここは王都の広場じゃ、あの水晶・・・名前は覚えておらんがあれを使うとここに来れるのじゃ。」
「そういう道具だったのか。」
「うむ、まずはあっちじゃな。」
リリアナが指さした方を見ると大通りの奥に大きな建物があった。
「リリアナちゃん、あの建物が魔導士ギルドってやつか?」
「そうじゃ、正しくは私営魔導士ギルドじゃがな。」
「国営とかあるのね・・・。」
「この王都には2つの魔導士ギルドがあるんじゃ、一つは前にある。私営ギルド、もう一つはあっちの方にあるのじゃ。」
「冒険者ギルドはないのか?」
先輩はやっぱり冒険者になりたいのか?
「ここにはないのじゃ、冒険者ギルドは小さな村や町に多くあるのじゃ。」
「へぇ、そんなシステムだったのね。」
赤羽根さんも聞いてなかったようだ。
「リリアナ達が行くのはあっちの私営ギルドじゃ。」
「よっしゃぁぁぁ!!燃えてきたぜぇぇぇ!!」
先輩がギルドのほうへ走っていった。
「迷子になっても知らないから。」
赤羽根さんの声は絶対に届いてないと思うけどな。
「リリアナ達も早くいくとするかの。」
俺たちは私営魔導士ギルドへ向かった。




