302 お店経営1日目朝 開店前
今回は赤羽根さん
「竜司君、これで、大丈夫?」
「うむ、問題はないぞ。その剣はあそこに立てておいてくれ。」
「わかりました。」
「そういえば、お前らの中で鍛冶か何かできるやつがいるのか?」
「私たちの中でしたら、あそこにいる者が出来ます。」
「アイツか。」
「ねぇ、どうしてわざわざ自分たちで武器とか鍛冶やろうとかおもったの?」
「リョウが言うには自分が作れるのはあくまで元の物の大量生産品、言ってしまえば量産型の物しかつくれない、一流の鍛冶師が作ったものの方がよっぽど丈夫ですよってな。」
「魔法で出してもらった方が早いし、手間もかからないと思うんだけど。」
「それは確かにそうだが、魔導士なり兵士なり、たまにいるトレジャーハンターなんかは強い武器の方がいいんだよ。詩織は魔法が強いから武器に頼る必要がほとんどないんだろうから知らないんだろう。」
「私も武器は使うわよ。これ、雷神の大槌・試験Ⅱ型って名前らしいけど。」
「・・・よくそんなゴツイの持ちあげれるな。」
「普通じゃ持てないから、こうして空間にしまってるのよ。それに持ち上げるのも強化魔法何十もかけないと持ち上げることすらできないし。」
「だよな・・・お前が素でそれを持ち上げてるとか言ったら二度と逆らわないでおこうと思ったところだったぞ。」
「女の私が軽々と持てるわけないでしょ?」
ほんと失礼なことばっかり言ってきて・・・
「じゃあ、俺はあいつとちょっと話があるから。」
いかにも職人みたいな人がいるんだものね・・・鍛冶屋だったのね、あのひと。
「あの・・・他にやることはないでしょうか?」
「無いと思うけど?」
「そうですか・・・」
「あ、ちょっと待って、部屋の掃除でもしましょうか。」
「はい。」
「あなた名前は?」
「名前は私どもはありません。」
「そんなに美人なのに名前はないの?」
「赤羽根様程では、ありませんよ。それに私たちは名前がなくても意思疎通のようなことができますので。」
「私たちが出来ないじゃない。名前があったほうが色々とっていうよりも普通に便利よ。」
「そうでしょうか・・・」
「あなたはちょっとネガティブ過ぎよ。ほら、綺麗な顔してるんだから。もっと明るい方がいいわよ。」
「わかりました。」
「じゃあ、一緒に掃除をしましょうか。汚くはないけど、そういうところから気にするべきだと思うし。」
「なるほど、勉強になります。」
「後で、そうね、竜司君はどうせ昼まであっちで何かするだろうし。もう一人の女の人も私が名前勝手につけちゃおうか。」
「よろしいのでしょうか?本村様に言わなくても。」
「竜司君に言わなくてもいいのよ。それと、上司と部下って関係で様付けはおかしいと思うんだけど。」
「そうでしょうか・・・?」
「せめて、店長ってぐらいにしといたら?もしくは親方とかね。」
「本村様は店長と呼ばしてもらいますが・・・赤羽根様は奥様と呼ぶべきでしょうか?」
「奥様って・・・別にまだ結婚してるわけじゃないし。」
「そうだったのですか・・・てっきりそういう関係なのかと。」
「さぁね、竜司君がそうしたいなら私は結婚してもいいけど。年齢的にも日本の法律では大丈夫な年だし。」
「ニホン?」
「気にしなくていいわ。後で名前決めましょうね。」
「はい。」
この人ら久々に出てきた。




