296 王都生活44日目夕 指導 その4
今回はエーアイ
「まず、基本ですが魔法を行うには魔法の構築、範囲指定、威力指定、発動といった、過程がどの魔法にも存在します。」
「それが、総帥の書かれたこの魔法と私の書いた魔法とでは順番がおかしい、若しくはいらないものがあるということでしょうか?」
「それを理解できたのならば、話は早いです。いいですか?魔法を書く時も発動させる時も全て過程が大事なのです。」
「なるほど、総帥の魔法は2倍以上には魔力を増幅させてますからね。」
「それとこれはリンが知らないことだったのでしょう。書記魔法で書かれた魔法は、同時に発動させることも可能なのです。コチョウ様はこの技術を用いた戦闘法もお持ちのようですが・・・」
「そんなことまでできるのですか?」
「紙に魔力を送るか本に魔力を送るかの差です。少々話がずれましたね。では、次に過程を意識してもう一度増幅魔法を書いてみてください。」
「わかりました。」
リンは覚えがいいというよりも頭がいいのでしょうか。
「どうでしょうか?」
「先程比べたらわかるのではないでしょうか?」
「試してみます。」
リンは自分の書いた2枚の紙に魔力を流して確認作業を始めた。
「これは凄いです・・・総帥に近づいた気がします。」
「ご主人様を目指していけば、必要なものも人としても教えてくださりますからね。」
「話はあまり関係はないですが、エーアイ様はこの世界で最も強い力は何だと思いますか?」
「リンは変わった質問をしますね。私の中では常にご主人様が頂点にあります。ご主人様に勝てるものがあるとするならば・・・」
「・・・」
「睡眠欲でしょうか?今もこのように眠られておりますし。ご主人様は中々起きてくれないんですよ。」
「参考になりました。総帥がエーアイ様の中では最も強い・・・ですか。」
本当にご主人様は疲れていらしたようですね。ぐっすりと寝られています。
「先程から気になることですが、エーアイ様は総帥のことを愛していらっしゃるのですね。エーアイ様や、ベラドンナ様がそこまで尽くす理由が納得できました。」
「私はそんな気持ちをご主人様に向けてはいません。」
「ですが、エーアイ様の目は女性の目をしてましたよ。」
「無駄口を叩く暇があれば、少し自分で判断の回路に当たる魔法を考えてください。」
「・・・わかりました。」
私のご主人様に向ける目が女性が異性に向ける目をしているですか・・・
ベラドンナにも似たようなことをつい最近言われたばかりでしたね、私自身ももっと自覚を持つべきですね。
ベラドンナの方が女性としては進んでる・・・




