29 王都に行くことになりました。
今回は赤羽根さん視点。
「王都に行きたいと思うんじゃが・・・。」
「王都って2カ月近くかかるんじゃなかったの?」
「往復ならばじゃけどな。」
「片道1カ月ってことでしょ?」
「そうじゃ。」
「私は問題ないわ。一緒に行きましょ。」
「いや、そのいく理由なんじゃが・・・。」
「どうしたのよ。言ってみなさいよ。」
「実は今のリリアナ達の実力ならBランクの魔導士か冒険者にはなれると思うんじゃが・・・。」
「これでも、Bランクなのね・・・。」
「勘違いしてるようじゃから教えてやるが、Bランクを超える人間は7人だけじゃぞ?」
「Bランクを越えてるのって7人だけしかいないの?」
「そうじゃないのじゃ。人族で7人しかいないって言ってるんじゃ。それ以外はみんなエルフとか、ドワーフなどの亜人族じゃ。」
「そうなの?」
この話から2時間はたったと思う。
私は、本村君と今井君を探しているけど、今井君だけ見つからない。リリアナも探すといってどこかいったきりだし・・・。
「赤羽根、リョウはいたか?」
「図書館にもいなかったわ。」
「じゃあ、森のそばかな・・・。」
「なんでそんなところにいるのよ。」
「む?お前らは聞いてないのか?あいつは何やら木魔法なる魔法のためにしょっちゅう森のそばまで言っておったぞ?」
「初耳だわ・・・。じゃあ、探してくるわ。」
なんで、こんな時に限って屋敷の外にいるのかしら。
そんなことを思いながら森の方から、リリアナが飛んできた。
「シオン、リョウを連れて来たぞ。」
今井君は、なぜか、ぐったりしているけど。
「おお、こんなとこにいたかって・・・またか・・・。」
いきなり、本村君がはしてきたと思っていたら、何かあきれた態度をとっている。
「どういう意味なんじゃ?森のそばで倒れておったようじゃが。」
「脳内演算の容量オーバーするすると、しばらくはリョウは動かん。」
そういえば、そんなこと言ってたわね。
なんで森のそばでそんなことをやってるのかしら。
「まぁ、問題ないじゃろ。」
「問題ないんだ・・・。」
リリアナはなぜか納得してるし。
「普段は、晩飯の時にはこいつは起きてるから問題ないと思うぞ。」
「しょっちゅうこんな感じなの?」
「リョウが早めに切り上げたらたいていこうなる。」
割と脳内演算って不便なのね。
「リョウはあの場所で何をしとったんじゃろか・・・。」
「そういえば、今井君はどこにいたの?」
「森のそばの木で作られたドームのようなものの中にいたんじゃ。まったくなんであのような場所にいたんじゃろな。」
「創造魔法なるものの練習だな、きっと。」
「まぁいいわ。このおバカさんが起きたら王都へ、明後日行くことになったって教えておいてもらえるかしら。」
「うむ、了解した。」
「シオンはほんとに王都で魔導士試験に一緒に受けてくれるのか?」
「魔導士になるには魔法があればいいんでしょ?」
「うむ、問題ないと思うのじゃ。シオンとリョウとリュージの3人でBランク越えの人族は10人になるかもしれんな。」
「そんなすごいものに私はなれないわよ。」
ほんとにリリアナは何を言ってるんだろ。
頑張ってもCランクが限界だと思うのだけど・・・。
今回はこのスキルについて書いときます。
『木魔法』
木を自由自在に操ることもできるスキル。
普通に他の魔法と同じように手から発動させることも可能。
魔力供給量に比例して強度と威力は上がる。




