281 王都生活44日目朝 地獄耳
今回はリリアナ
「げ、思ってたよりも時間たてるじゃん・・・もうすぐ朝ごはんだと・・・」
「リリアナはお昼寝でもするのじゃ。」
「子供か。」
「違うのじゃ。誰か来たみたいじゃぞ?」
「なんでわかるの?」
「足音でわかるのじゃ。」
「地獄耳か・・・」
「入ってきてもいいのじゃぞ。」
ベラドンナが入ってきた。
「お邪魔かと思いましたが・・・よろしかったので?」
「大丈夫じゃ。」
「オールしちまった・・・」
「ご主人様、朝食の用意が出来ましたので。」
「定刻通り・・・」
「朝からあんなに多く作って・・・いつ寝てるのじゃ?」
「夜は寝てますよ?」
いや、リリアナが夜寝付けないからうろついてた時も何かやってたりしてたりするぐらい忙しいとは思うのじゃが・・・
「お前らも寝るんだな。」
「ええ、マイティは十分寝てますよ?」
「マイティはね・・・」
「うーむ・・・」
「リリアナ様どうかなされましたか?」
「なんでもなのじゃ。」
「あ、エーアイから聞いた?マイティが普段着欲しいって私服買ってあげたら?あとお前とエーアイの分も。」
「私達にまでよろしいので?」
「そうじゃ、ベラドンナたちがメイド服以外を着てるのをみたことないのじゃ。」
「意外と着てるんじゃないの?どこかの貴族様にパーティとか呼ばれてたりするんでしょ?」
「滅多に参加はしません。」
「確かにあいつ等には高嶺の花じゃな。」
「高嶺の花ね・・・周りに多く咲きすぎだと思う。」
「何言ってるのじゃ?」
「え?」
「では、ご主人様お早めに。」
ベラドンナは出て行った。
「うむ・・・コチョウの店もシオンの店も全部終わらしたのじゃよな?」
「一応報告は聞いてるけど。店員も両店舗に5人ずつ配置しましたって言ってたし。」
「仕事が本当に早いのじゃな・・・」
「人脈というか、なんというか・・・俺の人徳のおかげだな。」
「リョウの人徳?」
「当たり前だろ?」
ふむ・・・確かにリョウの周りには人がたくさん集まるのは確かじゃな・・・これはわかるのじゃ。
「今日はサラダが新鮮じゃな。他のものも新鮮じゃが、サラダが特別新鮮じゃ。」
「なんでわかるの?まだ、食堂の前でもないのに?」
「エルフじゃからな。」
「意味わからんぞ・・・」
「そんなことないのじゃ。」
「で、本当は?」
「シオンとエーアイの会話が聞こえただけじゃ。」
「きこ・・・聞こえるのか。お前の聴覚異常すぎだろ。」
「元々視界の悪い森に住む種族じゃからな。獲物の動きが手取り足取りわかるように耳が他の種族よりもよくなったのじゃな。」
「その理屈だと、獣人の人とかもだろ?」
「あっちは嗅覚じゃな。ほかにも聴覚がいいものもいるそうじゃが、エルフがいちばん聴力いいのじゃ。」
「あくまでも、遠くの音も拾えるだけなんだよな?」
「一部の特殊な音も聞こえるのじゃぞ?」
「お前らいい耳だな、羨ましい・・・。」
無駄に耳がいいと嫌なこととかありそう・・・




