251 旅の3日目朝 まじない
今回はコチョウ
「これは上出来だわ。」
結局何が欲しいのかわからなかったけど・・・これならいいよね?ブレスレットだけど、大分豪華にできたわ。
「これなら、ジンジャーも喜ぶこと間違いなしね。」
「リョウの大量生産とは全く違うのじゃな。」
「そうよ、私のは一つずつしか作れないわよ。創造魔法でコピペするなら別だけど・・・気持ちを込めるって点ならこれの方がいいのよ。」
「そういえば、似たようなことをリョウも言ってたのじゃ。」
「・・・いつからいたの?」
「最初からじゃ、金の塊がぐにゃぐにゃってなって、ちょっとずつ形を作っていって腕輪の形になったら、次は銀の塊がぐにゃぐにゃってなって装飾されていって宝石の塊が出てきて綺麗にまるで磨かれたみたいにきれいになって、それがブレスレットにはめ込まれて、何かの術を掛けたところからじゃ。」
「それ、最初からじゃない・・・」
「そうじゃな、リョウの場合は、鉄の塊が一本の棒になってそれが変形して剣やら槍やらに変形してたり魔方陣から大量に出てきたりといった感じじゃな、コチョウのとは全く違うのじゃ。」
「だから、私のは真心がこもってるのよ。」
「うむ、そうじゃな。」
「これ、ジンジャー喜ぶと思う?」
「思うのじゃ。真心がこもっておれば何でも素敵に思えるわってジンジャーがいってたのじゃ。」
「その言葉を信じるわよ?」
「じゃからな?コチョウは自分の分も作るべきなんじゃ。」
「どうして?」
「コチョウの最後にかけてた魔法・・・あれは東のまじないってやつじゃろ?」
まじないね・・・ちょっと違うけどそんな感じなのかな?
「それがどうしたの?」
「まじないは人を助けることもできるのじゃ。コチョウがリリアナのこれにも掛けてたように、自分の分にもしっかりと掛けて肌身離さず持っててほしいのじゃ。」
「リリアナがそこまで言うなら持っておくけど・・・」
リリアナの魔眼真実の眼だったけ?あれでお見通しってわけね。
別に私が持ってても意味ないんだけど、持ってないよりはだいぶ違うものね。
「そうじゃな・・・リリアナの短剣に上書きで装飾とか施したらいいのじゃ。」
「これに?」
「そうじゃ。勝ってきただけなんじゃが・・・リリアナの思いが詰まってるはずじゃしな。」
「わかったわ。」
何かをベースに装飾とか施したことはないのよね。
「『造形魔法・錬金術』」
リリアナのくれた銀の短剣に元々施されている金色の装飾部分に緑色の金属で2重装飾を施して完了。
「できたわよ。ほら。」
「色が一つ増えるだけで違ってくるもんじゃな。まじないをかけるのじゃ。」
「わかったわ。『祝福魔法・身代わり』」
一回だけ、死や瀕死の重傷などのダメージを肩代わりしてくれるってだけのものだけど、これは一つしか発動できないのが難点ね。
「これでみんなお揃いじゃな。」
お揃いではないけど・・・私作っていう点ではお揃いね。
身代わりは一つしかつけれない・・・




