191 王都生活30日目夕 部屋でのひと時。
今回はリリアナ
「なんなんだ・・・あいつらはいったい・・・特にあの女は・・・確かに奪ったはずなのに使えなかった。」
暴食の大罪所有者の男、ベルゼは逃げるように北の国を目指し飛行していた。
「なぜ・・・なぜなんだ?最強の能力暴食をもってしても勝てないというのか・・・まずは、北の国よりも魔族領で力を蓄えた後に、S級の大会が近いうちに開かれるという北の国にだな。次会う時は奴らの力のすべてを奪う。」
ベルゼは北の国を超えそのまま魔族領へと向かっていた。
「てなことがあったんだけど・・・。」
「吸血王が保護者とは斬新じゃな。」
「あのジジィは結構めんどいんだぜ?というか、あのジジィは俺のことを孫のように扱いやがるんだ。悪い気はしないが・・・あんなジジィはめんどいだけだからな・・・。」
「ご主人様は馬鹿やってきたということでしょうか?」
「そうなるな。お前らさ・・・なんで一週間程度でそんなに強くなれたの?」
「成長期じゃったのじゃ。」
「その一言で片付いちゃったよ・・・。」
「でも、ジンジャーはもっとすごいのじゃ。最近みるみるうちに成長してたのじゃ。」
「何が?」
「戦闘力と胸じゃ。」
「知らんがな・・・。」
「でも、シオンと同じくらいじゃ。」
「胸のサイズとか求めてないし・・・マイティからも言ってやれ。」
「殿方は胸は大きい方が好みだと・・・伺いましたが?」
「あ・・・そうなのね。」
リョウは胸のサイズは特にこだわりを持ってなかったのか・・・なら、リリアナの心のように謙虚な胸でも大丈夫じゃな。
「今お前・・・何に安心したんだ?」
「内緒じゃ。秘密の多い女の方がリョウは好みじゃとジンジャーは言ってたのじゃ。」
「そんなの言ってない。お前って結構天然ってやつか。結構抜けてるな。」
「そ、そんなことないのじゃ!!」
物覚えが悪いだけじゃ!!とは言えないのじゃ・・・。
「まぁ・・・そういうところ結構好きだけどなぁ。」
「ご主人様口説いてるのですか?」
「違うけど?マイティは口説いてほしいの?口説かれたい願望もちなんだねぇ~。」
すごく悪い顔をしたリョウがマイティをからかう。
「ち、違います!!」
「そういうことにしておくか。」
「もういいです。」
マイティは怒って出て行ってしまった。
「今は二人っきりじゃからな・・・甘えてもいいかの?」
「ダメって言ったらどうする気なの?」
「そんなこと言わないでぇ~って泣いちゃうのじゃ。」
「絶対嘘だろ・・・まぁ、甘えるぐらいならいいけど。」
「さすがリョウじゃ。」
「抱き着くなよ?体が壊れる。」
「リリアナはそんなゴリラみたいな女じゃないのじゃ。」
甘えていい許可が出たのじゃからな・・・うんと甘えてやるのじゃ。ジンジャーよりも先に・・・見つけたもの勝ちじゃ。
「おま・・・近すぎない?普通に横座んなよ。」
「こんなに近づけるのは・・・リョウじゃからじゃぞ?」
「無駄にあざとい顔で言うな。」
「アイタっ!!」
リョウにコツンと小突かれた。
「でも、リョウはリリアナの気持ちにこたえる気になったのじゃな。」
「え?ま、まぁ・・・ね?」
それだけで、無茶苦茶嬉しいのじゃ・・・。
「でも、最初に会った時に抱き着くぐらいのことはしてくれてもよかったのじゃ・・・。」
「いや、ハードル高すぎだろ。」
リリアナはまな板ではありません・・・たぶんね。




