181 魔族領5日目昼 騒音
今回は今井君
「ねぇ、魔王争奪戦っていつから?」
「確か、明日だったと思います。」
「魔王をまた決めるのか?それは楽しみじゃな。儂を楽しましてくれそうなやつがいるかもしれないしな。」
「いるぞ、俺の部下は有力だぞ。」
「有力って明日は準決勝ですよ?」
「もうそこまでいってるのかよ・・・あいつなら、何とかしてるだろ。」
最近の従者序列ランキングでも3位だしな・・・。ベラドンナとの差が気になるところだけど。
「やはり、昼間は吸血鬼には辛いの・・・。」
「ジジィだからだろ。」
「吸血鬼は太陽の光を浴びたらダメージを受けるはずだったのでは?」
「エミーの言う通りじゃが、儂は吸血王、太陽の光は克服しておるが・・・精神的にはやはり来るものはあるのじゃ。」
「やっぱりジジィなだけだろ。見ないうちにだいぶ老けたんじゃないの?」
「ハッハッハ!!吸血王も歳はとるからな。」
「そういえば、今度の魔王争奪戦には東の地の鬼族がかなりの数参加してたはずですが。」
「鬼族か・・・最近よく聞くけどさ、そいつら誰だ?」
「知らないんですか?一人で、魔王軍と同格の存在ですよ。」
「1000年前は鬼族の小僧が魔王をしておったからな。鬼族は確かに強いぞ。吸血鬼以上の戦闘民族だな。あいつ等には吸血鬼と違い弱点がほとんどないからな。」
「あんたもほとんどないだろ。」
「それは、お互いさまじゃな。」
このジジィはこんなにうっとしいとは・・・騒音でたまらんのだが・・・。
「それと俺はお前ほど強くない。」
「ハッハッハ!!謙虚な奴じゃ!!」
「街中であんまり騒がないでくださいよ。」
魔族領の中の王都のようなところに現在いるわけだが、明日ここで、魔王争奪戦準決勝があるらしいからな。決勝もここだそうだしな。俺はそれを見たら、お土産を買って屋敷に帰る予定だ。
「あ、この張り紙は準決勝の出場者の顔写真ですよ。」
バカ犬もしっかりといた。青犬って名前で登録してんのか・・・名前はこれに決定だな。
「青犬って人は魔人族らしいですね、それ以外は魔族が一人に鬼族が一人、吸血鬼も一人いるようですよ。」
「ハッハッハ!!こいつは次期吸血王じゃなハッハッハ!!」
「エミー良かったな。俺の部下みたいなやつも準決勝に出てるぞ。」
「何がいいんですか?」
「いや、働き口だよ。」
「いや、そのことですが、私あなたのところに働きに行きます。屋敷に住んでて、メイドもいる。そんなところであれば、きっと、魔王軍よりも安定した収入のはずです。」
「いや、受け入れねーからな。お前は万年魔王軍下っ端だな。」
「そんなの嫌です。きっと、私には私にぴったりな職場があるはずです。」
「お前がメイドとかマジ勘弁だわー、うちのメイドは強さも兼ね備えたやつらばっかりだからな。それこそ、お前が元4大魔将なら話は別だったけどな。」
「採用条件厳しすぎません?」
「諦めて魔王軍に再所属をお勧めするよ。」
まぁ、こんなのが家にいるだけで騒音だからな・・・騒ぐ以外の脳がこいつにはないだろうしな。
エミーの扱いどうしたものか・・・。




