178 魔族領4日目昼 吸血王
今回は今井君
「おい、お前本当にこっちであってんだろうな・・・間違えているならば・・・。」
「合ってますから。その炎ちらつかせるのやめてください。」
「この仕草は雷帝がよくやることです、まぁ、俺はそんなことしないけどさ。」
「もう・・・いい加減にしてくださいよ。まだまだ、着きませんよ。」
「めんどいから、飛ぶか・・・。お前振り落とされないようにしっかりと捕まれよ。」
「?どういうつもりかわかりませんが、わかりました。」
エミーが背中に乗ってくる。
「今やらしいこと考えませんでした?」
「お前よりもでかいやついるから安心しろ。」
「そんなことで安心できませんよ。」
「黙ってないと舌かむぞ。」
「うひょぉぉぉぉすごい早さですね。まるで、音速。」
「まぁ、マッハ1ぐらいだから、音速と一緒だろ・・・。」
「すごいですねどうして、思ってたよりも風が当たらないのですか?」
「お前に結界張ってるからな。超支援型なら、自分で張れよ。」
「結界は私のジャンル外です。」
「ポンコツだな。おい、このままであってんのか?」
「大丈夫です。この湖の奥にある城にいます。」
「湖の奥ね。吸血鬼は湖がホント好きだな。」
「そんなの初めて聞きましたよ?」
「着いたぞ。」
地面にトサッとエミーが落ちた。
「あいた、もうちょっと優しく扱ってください。女の心と体は割れ物何ですからね。」
「こいつほんとにうるさいな・・・そりゃ、こんなめんどくさいとこまで行かされるわけだ。お前、あとちょっととか言ってたくせにだいぶ離れたぞ。30kmは離れたな。おかしいだろ?」
「来たことないんですから当たり前じゃないですか!?」
「表が騒がしいと思えば・・・来客か?」
「げ、吸血鬼!!」
「お前どこに目をつけてるんだよこの爺さんが吸血王だからな?」
「ん?貴様、幻術で姿を隠してるようだが・・・人族だな。」
「あ?お前わかるのかよ・・・。魔眼かなんかかよ。」
「ハッハッハ。この吸血王に対して馴れ馴れしい小僧はあの時の小僧か!!」
「魔王死んだってお前知ってたのか?」
「儂は吸血王じゃぞ?そんなこと知っておるわ。うちの狂犬がやったと聞いていたが・・・魔王の血を飲み干した吸血鬼は吸血王と同格の存在になれる筈だが・・・狂犬は死んだようだな。何者かに殺されたというべきかな。」
吸血王がこっちを見てくるが。
「俺ではないぞ?」
「吸血王様ってこんな人だったんですか・・・もっと怖い人かと思ってました・・・。」
「近所のうるさいお爺さんってかんじだろ?」
「そう感じるのは貴様が儂を超えた強さを持っておるからだろう。貴様も儂と初めて会った時は、とても戦えるような男じゃなかったからな。そっちの女もお前の結界のおかげで儂のオーラにあてられずに済んでおるようだな。この男に感謝するといい。」
「よくわからないけど、ありがとうございます。」
「ふむ、ここまで、強くなるとはな・・・儂は種族的にもうこれ以上の力は引き出せんが少量であればまだ、成長できるっといったところか。」
「いや、どうでもいいけどさ、あんた嫉妬の称号持ってるんだろ?大罪系のやつさ、二つ持ってるんだけど俺すごくない?」
「自慢しに来たのか!?ハッハッハ!!確かに大罪系を持つのはすごいことじゃ!!ましてやそれが二つなどどとは・・・お前こそ、魔王や大魔王を名乗るにふさわしい男よ。ハッハッハ!!」
「いや、笑い事じゃねーよ。まぁいいか、このジジィ見たら、関わりたくなくなった。」
(主、少しお時間よろしいですか?)
いいけど?喧嘩する気?
(まさか、私はそこまで短絡思考ではありません。)
ゲートが俺の後ろに現れる。
「お久しぶりでございます、ご主人様。それと、お初にお目にかかります吸血王様、私は今井 陵のメイドのエーアイでございます。」
「この女・・・ハッハッハ!!まだまだ、化け物がいるわけだ。」
「その化け物の話を少し聞いてもらえますか?」
「なんじゃ?」
突如、音が消えた。聞こえなくなったのではなく消えた。
「ちょっと、なんか変な感じしますよ。」
「お前の声だけ聞こえるとかマジ勘弁。」
「あ、それは私の声に惚れてしまうからですか?ダメですよ。」
「いや、ねぇーよ。それよりもお前の前の女見ろよ。容姿、頭脳ともに優秀な俺のメイドを。」
「さんざん自慢してたメイドさんですか?確かにすごく美人ですけどあなた、ついでにぐらいしか言ってなかったじゃないすか。メインで美人ですよこれでは。しかも、私よりも胸が大きい。」
「お前、赤羽根さんと同レベ。」
「誰ですかその人!?」
「なるほどな・・・わかった。儂らも気を付けておこうか。」
「では、私は話が終わりましたのでこれで。」
エーアイはゲートを通って帰って行った。
「あのメイド・・・ご主人様をハブるとはいい根性してやがる。勝てないから許すけど。」
「ハッハッハ!!確かに、あのメイドに勝てる存在はこの世界にはもう存在しないだろうな。始祖龍ぐらいか?あの女を止めれるとしたらな。」
「初めて聞くワードだな・・・誰だその龍。」
「世界を作ったといわれる龍だ。儂でも、手も足も出なかったぞ。見つけるのにも一苦労だがな。あの存在はまさしく、最強というにふさわしい存在だな。」
「爺さん、あんたの話した内容教えてくれよ。」
「ハッハッハ!!内容がそんなに気になるのか!だがな、あの女に口止めされてしまったよ。ハッハッハ!!この吸血王が口止めされる日が来るとはな。ハッハッハ!!」
「ハッハッハじゃねえよ。エーアイ怖いのわかるけどさ。ここは男の意地だよ。」
「お前さんが愛されとるということだけは教えてやっても問題なさそうじゃな。安心せい、儂とお前はもうすでに同盟のようなものだ。」
「いみわからん・・・お前俺と戦うとか前言ってなかったか?」
「お前は強くなりすぎた。お前よりも強いのはわんさかいるだろうが、儂は見てのとおり歳だからな。ここ数百年の間に随分と弱った。」
「あ?それで弱っただと?なめてんのかよ・・・。」
「全盛期ならば、お前と同じぐらいか、それ以上だったが・・・今は勝ち目がないな。単純に体力が持たん。今も殆どここで、ゆっくりしてるだけだしな。」
「とんだご隠居ジジィだな。」
「ハッハッハ!!では、儂はお前のこの後の用事が非情に気になるのでな。後をついていくことにしたぞ。最近は退屈じゃったからな。」
「おい、このジジィついてくる気だぞ・・・。」
「吸血王様が付いてくるなんて素敵じゃないですか!!」
「ハッハッハ!!儂に娘がおったはずじゃが千年以上昔に死んだからな。お前らを見てると家族を思い出すな。」
「このジジィ俺らのことを勝手に家族にしやがった!?」
「でも、私はどちらかと言えば、娘というよりも孫娘だと思いますけど。」
「お前、俺の結界がなかったらびびってちびってたものを・・・女の名誉を守るためにいまだに結界を張り続けてる俺のやさしさを見習え。」
「ちびったりなんかしませんよ。」
「ハッハッハ!!そうじゃな、孫娘とその旦那ぐらいか?」
「お前らの血縁関係になるだけは絶対に反対だな。」
「なんで、私も入ってるんですか?」
「同レベだろ・・・。」
「私、こんな感じじゃありません。もっとお淑やかです。」
「お前、騒音と書いてエミーと読めるぞ?」
「何ですかそれ。」
「家族はやはりいものじゃな。」
「だから、お前の家族になった覚えはない!!要らないこと言いすぎたら、エーアイが飛んでくんぞ。」
「あの女がか・・・それは怖いな。」
「じゃあ、ついてくるなよ。」
「それとこれは話が別じゃ。ジジィの楽しみを奪う気か?」
「騒音が二つついてるがまぁいいか・・・全部あの犬に押し付けるか・・・。」
決定だな。悪く思うなよ。
吸血王は仲間になった。
吸血王てこの世界でかなり上位の存在でしょ?いいの?
A.すでにバランス壊れてんすけど・・・。
気にしたら負け。




