169 王都生活24日目夕 リョウには追い付けなかったのじゃ。
今回はリリアナ
「どこに行ったんじゃリョウは・・・。」
「リリアナ様、そろそろ、お戻りになれたほうがよろしいのでは?」
リョウの羽根の四枚羽根をはやしたエーアイがずっとついてきてくれていたのじゃが・・・。
「リリアナはかなり速い自信があったのじゃが・・・よく追いついてこれたのじゃな。」
「メイドですから。」
全く理解できないことじゃが・・・メイドはみんな速いのか?
「では、もう日が暮れてますので、転移魔法で屋敷まで戻りましょう。」
「うむ・・・リョウはどこへ行ったのじゃ?」
「私にはわかりかねますが、今朝は機嫌が非情に良かったので危険なことではないかと、私は思います。」
「そんなはずがないのじゃ!リョウじゃぞ?あのリョウも歩けば吸血王に当たるあのリョウじゃぞ?」
「リリアナ様もそのようなお考えでしたか・・・。ですが、ご主人様を信じて待つことも私は必要かと思います。」
「そ、そうじゃな。エルフ社会でも、夫婦の関係になれば、女は家で家事を、男は外で仕事をってなるものじゃからな。旦那の帰りを待つのも妻の務めじゃな。今のうちから練習しとくのじゃ。」
「リリアナ様のその考えには私も納得いたしました。では、ゲートを繋ぎましたので、こちらをお使いくださいませ。」
「うむ、そうじゃな。」
メイドたちはみんな空間魔法を使っておるようじゃが・・・やっぱりいいか。待つのも練習じゃしな。
「しかしこの手の魔法は便利じゃな。もう屋敷じゃ。」
「はい、ご主人様もこのような魔法をお使いになられます。」
「そうじゃな。エーアイよかったら、今日はリリアナと一緒に寝てほしいのじゃ。」
「私がですか?ジンジャー様達とは一緒に眠られないのですか?」
「別にジンジャーでもいいんじゃが、今日はエーアイと一緒がいいのじゃ。」
「仕事が終わり次第すぐに向かいます。」
「寂しいからとかじゃないからな?」
「はい、存じております。」
「ならいいのじゃ。」
「ほんとは寂しいのでしょ?リリアナはわかりやすいから。」
エーアイと入れ替わりにジンジャーがやってきた。
「あなたってわかりやすいのよ。顔に書いてあるもの寂しいよーってね。」
「そんなこと思ってないのじゃ。これはあれじゃ、花嫁修業ってやつじゃ。」
「じゃあ、私も一緒ね。あなただけが花嫁修業ってわけじゃないのよ?それよりもあなたはいいの?家事、炊飯、掃除に洗濯と、できるのでしょうね?」
「できないのじゃ。」
「胸を張って言うことじゃないわよ。でも、私の方が一歩リードってことね。」
「それは、おかしいのじゃ。愛があれば何でもできるのじゃ。それに、嫁ぐとしても婿迎えるにしても、どっちにも、屋敷にメイドがいるのじゃ。そんなの心配するだけ無駄じゃ。」
「これだから、ボンボンは・・・。」
「リリアナのおなかは大きくないのじゃ。太ってないのじゃ。」
「そういう意味じゃないわよ・・・。」
「いいのじゃ、ジンジャーが意地悪言うのはいつものことじゃ。」
「あれ?私ってあなたの中でそんな人間だったの?」
「そうじゃ、ジンジャーもシオンも意地悪なのじゃ。」
「シオリも入ってるのね・・・。」
「そうじゃ。でも、ジンジャーが一番からかってくるのじゃ。」
「リリアナがかわいいからよ。」
「そんなこと言われても、嬉しくないのじゃ。」
「でも、顔赤いわよ。」
「・・・そんなことないのじゃ!!」
今井君を退場させたかったわけではない、気が付いたらどこかへ行くって言ってのだ・・・。




