168 王都生活24日目朝 ご主人様はどこかへ旅立った。
今回はエーアイ
「ちょっと用事あるからしばらく、どこか行ってくるわ。」
ご主人様は唐突に変なことを言い始めた。
「何処へ行く気ですか?」
「秘密だよ。」
なぜか、唐突に出ていく気になるなんておかしいと私は思う。
「ご主人様、私が何かいらないことをしましたか?」
「そんなのじゃないから大丈夫。それと、エーアイは優秀だから俺いなくても大丈夫でしょ?」
「そんなことはありませんが、どこに行くかぐらいは教えてくれないと、連絡が伝えれないんですが・・・。」
「大丈夫、危険じゃないからさ。」
非情に上機嫌なご主人様は、さっさと着替えて屋敷から出て行った。
「エーアイ、あなた嫌われたの?」
「まさか、ベラドンナならともかく、私が嫌われるはずがありません。」
「エーアイって私のことすごく低く見てるのだけはわかったわ。」
ベラドンナは一部始終を見てたのか、ご主人様が出ていくなり、すぐに絡んできた。
「マイティがすごく寂しがりそうですね。」
「あの子はご主人様にハート盗まれちゃってるからね。」
人のことをベラドンナは言えないと私は思う。
「リリアナ様と、ジンジャー様にはなんとお伝えすればいのでしょうか・・・。」
「ありのままのことはなせば?」
「それでは、あのお二人は納得なさらないでしょう。」
「普通に武者修行に行ってしまったと、お伝えしてきますわ。」
ベラドンナは本当にそのことを伝えに行ってしまった。あながち、間違えじゃないとは思うが、あのお二人ならば、きっと今からでも追いかけそうだが、ご主人様は、空間魔法で転移しながら、進んでいるので追い付くのは殆ど無理かと思う。
「リリアナをおいていくなんてひどいのじゃぁぁ!」
予想通り、リリアナ様は追いかけて行った。
「ベラドンナ、あなたのせいですよ?」
「でも、すぐに帰ってくるでしょ、ご主人様スゴイ遠くまでもう行ってるんだから。」
「そうですね。ご主人様は何を考えて行動してるかまでは私は知らないですから。」
「あんた心の中まで覗いていそうなのにね。」
「私はそんなことはしません。」
「まぁ、私たちはいつも通りで問題ないでしょ。」
「あなたは、なぜいつも、私と話すときや、ほかの従者と話すときだけそんなに軽いのですか?」
「ノリが軽いってこと?あんたが堅すぎるだけよ。もう少し柔らかくなるべきじゃないの?」
「これでも、十分柔らかくなりました。」
「え・・・それで?」
「あなたは少し失礼ですよ。」
「まぁいいけど・・・じゃあ、私仕事に戻るから。」
「では、私も仕事に戻りましょう。」
ご主人様が朝から何を考えてるか、までは私はわからないが、ご主人様は危険がないからなどとおっしゃってましたが、あの方が何もない筈がない、ご主人様は何もない空中で吸血王と遭遇するような、トラブルメーカーですからね。
「そう考えたら、私はすごく心配になります。」
おい、どこに行くんだ今井君。あれ?おかしいな・・・予定と大幅に違うことし始めちゃった・・・。




