150 王都生活19日目朝 ジンジャーとリョウ
今回はジンジャー
「おはようございます。ジンジャー様。」
「エーアイ?おはよ。その子は?きれいな髪ね。」
「私は、マイティ。新しいメイドでございます。」
「マイティは呑み込みが早くて助かります。」
「それよりも、リョウとリリアナって起きてる?」
「リリアナ様はまだ眠られておりますが、ご主人様なら起きていると思いますよ。」
「わかったわ。」
「では、私たちはこれで。」
金と銀の姉妹みたいね・・・行動が似てる。呑み込み早いってそういうことね。
私は、リョウの部屋の前に着いた・
「いざ、来ると・・・少し、怖いわね・・・。」
「何が怖いの?」
「別にいいでしょ・・・なんでここにいるのよ。」
「いやぁ、トイレ行って帰ってきたところかな?用事あるなら入ってよ。」
リョウは、後ろからやってきて、そのまま、扉を開いた。
「ほら、ジンジャー早く。」
「あなたのせいで調子が狂ってしまったけど。まずは、迷惑をかけてごめんなさい。」
「いや、中に入ってよ・・・。」
「わかったわ。」
結局中に入って椅子に座って話すことになった。机越しとはいえ、結構緊張するわね。
「さっきのごめんって何が?窓でも割った?別にいいけど・・・。」
「そんなことじゃないわよ・・・ほら、私って昨日、迷惑かけたでしょ?」
「昨日は忙しかったからね。」
「全部知ってるのよ?」
「エーアイに聞いたの?あいつ後でお仕置きしておくから気にしないで。」
「エーアイは何も悪くないわよ。全部知ってるのよ。全部覚えてるんだから・・・。」
「なら、リリアナに謝っておけよ。俺は一切気にしてないから。泣きたいなら、俺の胸を貸してやろう。・・・今のセリフいい感じに決まったな。さすがは先輩の決め台詞だ。聞いてて得した。」
「声もれてるわよ・・・私は、別に泣きに来たわけじゃないわ。それにリリアナにもちゃんと謝るけど。リョウの方が先でもいいでしょ?」
「俺は気にしてないから・・・気に病む必要はないけど?」
「そんなこと言ったって、あなたのあの顔が忘れられるとでも思ってるの!?」
「え・・・ちょっと何言ってるんだか・・・落ち着いて、まずは落ち着いてってば。」
「落ち着けるわけないでしょ?自分の好きな人にあんなに悲しませるなんて・・・私の気持ちも考えてよ・・・。」
「ちょっと、ごめんってば・・・でも、その時はさすがに辛かったけどな、今は大丈夫だからね?ジンジャーは笑ってるほうがいいよ?」
「ほんとに・・・気にしてない?」
「大丈夫。リリアナも気にしてないし。何なら、エーアイにも謝っとくべきかもな・・・俺も後でする気だけど。なんか、思い出せないけど。むちゃくちゃキレてたってことは覚えてるけど。」
「エーアイって怒るんだ・・・。」
「俺の中では、ダントツの怒らせてはいけないリストの1位に載ってるけどな。」
「私のこと・・・ほんとのホントにゆるしてくれるの?」
「大丈夫、許す許さない以前に、俺は問題視してないよ。お前のことを許さないはずがないからな。」
「私のこと好きでいてくれる?」
「好きって・・・まぁ、好きかな?」
「好き・・・私のことを・・・。」
「もちろん、リリアナや、他の人のことも好きだけど。」
「・・・。」
「あ・・・でも、そういう風にも好きだからね?リリアナとジンジャーはだけど・・・。」
「二股?リリアナなら別にいいけど。」
「そこまで、そんなことは、思ってなかったけど・・・」
「でも、私のことを許してくれるし、好きって言ってくれた・・・。これほどまでにうれしいことはないわよ。」
「アハハハ・・・でも、そっちの顔のほうが俺は好き・・・かな。」
「口説いてるの?なら成功ね。」
「違うってば・・・もう駄目だ・・・。」
二股かけてたのかよ・・・気づけなかった・・・。




