146 王都生活18日目夜 妖精女王対吸血女帝 その1
今回リリアナ
「いいじゃろう!!リリアナが相手になってやるのじゃ!!」
「お前のそのきれいな顔を傷つけないままで、首を差し出せば、妾も見逃してやろう。」
「お前の言うこと聞く奴なんて誰一人いないのじゃ!!」
「妾に口答えとは・・・やはり、貴様は小生意気な娘じゃな。精々響きのいい声を聞かせてもらうぞ。そのきれいな顔から発せられる悲鳴はどのようなものか・・・そうだな、あの男の前にお前は生きたまま連れていき、その悲鳴を聞かせてやろう。それがいいな。妾の頭はなんといいものか!!」
「無理じゃな。お前に負けるつもりはないのじゃ。」
「妾を楽しませてくれよ・・・。お前はあの男と恋仲とも言ってたしな。あの男の苦痛で歪んだ顔が見れそうだな。」
「さっきお前は吸血王と同格とか言ってのじゃがお前じゃ、まだ勝てないのじゃ。だから、リリアナでもお前に勝つことはできるのじゃ。」
「口先だけか?」
「本当のことじゃ。『高位妖精化』」
「さらに上の段階になったわけか・・・だが、妾の敵ではない。」
吸血女帝の突きが腹に炸裂した。
「ほとんど見えなかったじゃと!?」
「妾に勝とうなんざ百万年早いということだな。あきらめることじゃな。」
「腹に穴が開いたのじゃが・・・もう治ったのじゃ。」
「そんなわけあるまい。やせ我慢か?」
「リリアナのとっておきじゃ・・・お前には全力でやらねば、命がいくつあても足りないのじゃ。」
「さっきとはまた別の状態になったというわけか・・・妾に小細工は通用せん。」
また突きが次は胸に炸裂したが・・・。
「それは、リリアナの昔の姿じゃ。蝶々が芋虫からさなぎになりそしてその脱皮のようにその殻を割り、出ていくようにじゃな。」
「こざかしいこの、吸血女帝の前に蝶など虫けらも同然、いや、虫けらか?」
「今のリリアナは、お前と同格以上・・・本物の妖精女王・・・妖精女王化じゃな。」
リリアナの羽も神々しさのレベルも増し、杖のようなものや、衣装まで変わっている。
「妖精女王対吸血女帝じゃな。女王同士の対決じゃ。」
「妾の前に羽虫が現れただけのこと・・・。」
「じゃから、言ったじゃろ?お前の攻撃も全部見えるのじゃ。そんな生温い攻撃では当たらないのじゃ。」
「・・・妖精女王。なるほど、この吸血女帝の最初の相手にふさわしい敵だというわけか。」
女帝の突きも難なく躱すことが可能になったのじゃ。うむ、やっぱりこの状態のほうがかっこいいのじゃ。強いのじゃ。それと危なかったのじゃ・・・もう少し、こりゃるの遅かったらって考えたら、背筋に寒気がするのじゃ。
「リリアナもお前を強敵と認めるのじゃ。妖精女王は全ての真実を見そして判決を下す、妖精最強の存在じゃ。他の、その動物や植物ですら、女王の前に嘘も幻術も、すべては真実を見、その判決を下す、女王の前にすべてはひれ伏すのじゃ。お前は有罪じゃ!!」
「ククク、妾もそれに乗ってやろう。吸血女帝は他のいかなる種族も、生物も、そのすべてを喰らおう。その存在は恐怖、畏怖、憎悪の対象となり、未来永劫語られる。生きる恐怖、絶望として、ほかの生物をその生態系を恐怖のどん底まで落としてやろう。無論お前も、そのうちの一人だ・・・いや、記念すべき1人目だ!!光栄に思え!!妖精女王。」
現在のリリアナに、赤羽根さんと今井君、本村君は手も足も出ない・・・。




