145 王都生活18日目夜 吸血女帝
今回はリリアナ
「何じゃこれは・・・魔王と吸血鬼の戦いか?吸血鬼のほうは大半やられてるようじゃが・・・吸血鬼相手に無傷とは・・・あの魔王も魔王なだけあったということじゃな。」
リリアナは少し離れたところで、魔王と吸血鬼の戦いを見ていた。
「フン、下らんな・・・こんな雑魚にこの魔王がびくびくと震えていたのか・・・いや、この者たちが弱かっただけのことか。吸血王と比べると天と地の差ってやつだな。で、お前はどうする?女?お前だけ何もしなかっただろ?どういうつもりだ?」
「私はあなたに勝てるから、1対1になるまで、待ってただけ。」
「ほぉう・・・なるほど、この雑魚に比べたらってことか?確かにこの雑魚に比べるとお前は数段強いな10魔将にも届くだろうなその力は。」
「私はもっと上を目指す。目指すは頂点ではないが、あの、男の首、今度こそ・・・。」
薄ピンクの髪の女の吸血鬼と魔王の戦いが始まった。
「お前のことなど知らんが、散れ。」
先ほどの吸血鬼たちは体がなぜか破裂しているように見えていたが、破裂ではなく、体の中から潰しに来ていたというのが、事実だったのじゃな。リリアナの魔眼『真実の眼』はヴァージョンアップしてよくわかるようになったのじゃ。
「この程度が私に効くわけないだろうがぁ!!」
吸血鬼の強烈な蹴りは魔王の腕をぶった切った。
「ぐ・・・やはり吸血鬼というわけか。」
ちぎった腕の血を全て飲み干した吸血鬼は言う。
「古城で、魔王の血を飲めば、吸血王に匹敵する力を得ることができるというものを見て確かめに来たのだが・・・事実のようだ。力が確かにあるようだが・・・全て飲み干さなければならないようだな。」
言葉を全て言い終えた瞬間。魔王は空間に槍で縫い付けられた。
「一瞬だったろ?すぐに終わる。安心して死ね。」
最後に心臓を貫き、その後その心臓を喰らい、魔王の血を肉を全て喰い尽くした。
「これが、吸血王の力・・・私は女だから、王ではなく女王・・・吸血女帝と名乗ろうか!!妾は『吸血女帝』・・・喜べ、世界が全て、今、この瞬間を迎えたことに興奮を、喜びを、その軌跡を。」
なんかまずい状態になったっぽいのじゃ・・・。
「妾は、生まれ変わったような気分だ・・・実に心地の良いものだな・・・。」
思いっきり目が合った。あの紅い目に薄ピンクの髪・・・白い肌、前どこかで会ったような気がするのじゃが・・・思い出せないのじゃ、きっと気のせいじゃな。
「あの男よりも先に、エルフの小娘か・・・妾の・・・この吸血女帝誕生の瞬間にいるとは、なんという幸運だ。お前は実に運がいいな、エルフの小娘。かなり距離は離れているが・・・エルフならば聞こえているのだろう?宣言しよう。妾はお前に攻撃をする・・・いや、お前の命を頂戴することにした。吸血女帝への貢物と思えば安いものだろう?」
うわーなんか、ヤバいのじゃ。全快でよかったのじゃ・・・ジンジャーと戦った時の状態なら、やられてたのじゃが、高位妖精化すらも超越した存在のこのリリアナのお命頂戴とは・・・無理な話じゃな。
魔王はあっけなくフェードアウト・・・たぶんこいつで最後かな?創造と違う方向に行ってしまったからちょっとこの先わからんです。




