141 王都生活18日目夜 4大魔将・非道II その2
また、今井君もどき
「とうとう追いつきましたよ・・・まさか逃げられるとは思いませんでしたが。」
「あと少しで終わるんだよ、少しだけ、少しだけ待ってくれ・・・。」
「それが、ご主人様ならば、私もご主人様のそばでその力になれるように最善を尽くしたでしょう・・・ですが、あなたは、ご主人様にしてご主人様にあらず。私にあなたの言うことを聞く必要はありません。その体を返さしてもらいます。」
「空気読めよ・・・。」
「この者からイマイ君は逃げていたのですね。なるほど・・・凄まじい戦闘力だ・・・吸血王にも匹敵、それ以上かもしれないな・・・本物の化け物とは、イマイ君もとてつもなく厄介なものを連れてきましたね。」
「あなたは・・・ジンジャー様の・・・ご主人様の代わりにあなたを先に排除すべきだな。私はあなたを許すことはできない。あなたはそれほどまでに深い罪を犯している・・・ジンジャー様の心を弄り弄び、リリアナ様の心までをも傷つけ・・・ご主人様にどれほどの・・・どれほどの・・・お前に言っても無駄か。」
今の一言にすごく寒気を覚えた・・・。契約魔法で生まれただけにすぎない俺だが・・・こいつのここまでの感情をこの今井 陵も知らないみたいだな・・・記憶に存在しない・・・。
「これが、絶対強者の存在感・・・吸血王ですら霞んで見えるくらいの化け物・・・。あの男の前ですら、何もできなかったというのにか・・・さらに上がいるのか・・・。」
「私はお前を許すことはできない。私にとっての最も大切なものにとっても取れない傷を植え付けた。記憶を消しても、その記憶は体が覚えているし、魂で記憶されている・・・そのような、深く深く深くまでご主人様を傷つけたお前を許すわけがないだろう。」
記憶になくても覚えていることか・・・トラウマか。
「これほどまでの強者をここまで、怒り狂わせただけでも、満足せねばならないな。」
「お前は、死ぬことすら許されない・・・私の怒りを本気でその身で、それこそ、トラウマに・・・魂に刻みこんでやろう、死ぬことですら、生温く感じるほどの恐怖を・・・お前は体験することができる・・・光栄に思え、一瞬のうちに何度も何度も殺すことは可能なのだからな。ご主人様の前でなければそれをしていたでしょうが・・・。」
呼吸すらすることを忘れ、恐怖で何もできない・・・本当に何もできないのだからしかたないよね・・・。絶対に敵に回してはダメな奴だ・・・エーアイをなめてた。契約者の記憶がおかしいのか?おかしくはないよな、知らなかったことってことか。。
突如、4大魔将最後の魔将は空から落ちた、俺の数十mは前に落ちたが・・・確かに俺は今のを見てたが、魔法を使ったわけでもなく、何をしたでもなくいきなり落ちた・・・。
「フン。ご主人様の前でなければ・・・お前など未来永劫殺し続けていたでしょうね・・・。まぁ、その魂は、この世界にはもうすでに存在はしませんが。」
「ヒィ!!」
小物のするような状態だな・・・ちびったりしたら殺されかねない?
「お、お前の今の・・・行動のほうがよっぽどトラウマだと思うけど・・・。」
「あなたにトラウマが出来てもご主人様には関係のないことです。で、どうしますか?あなたさっき契約魔法で、契約された・・・契約魔法そのものといってもいいと言ってましたね。」
「・・・。」
「あなたの殲滅対象は殲滅済み・・・それ以上無駄な抵抗をするのであれば、あなたにも心というものが存在するのかは知らないけど・・・いいえ、それよりも早く出て行ってください。」
「・・・。」
「沈黙は是とお見受けしました。『契約破棄』を実行します。」
俺の思考はそこで途切れた。
「お帰りなさいませご主人様。」
意識のないリョウを優しくエーアイは抱きかかえた。
「あまり人様に迷惑をかけてはいけませんよ・・・主。」
エーアイはリョウを優しく抱きかかえて飛び去って行った。
「・・・。」
「・・・。」
周りの魔族は恐怖で動くことはしばらくはない。最強の魔将は、もう二度と動くことはない、その魂は別のどのような目にあわされてるのかは誰も知らない。
トラウマって悪夢になるらしいですね。まだトラウマないから大丈夫ですよね?




