134 王都生活18日目夕 4大魔将・非道 その4
今回は今井君
「3分間で決着をつけるのじゃ!!」
「3分程度なら、私でも、耐えれるわ。あまりなめないほうが身のためよ?」
「『妖精魔法・サンシャイン』」
リリアナの前にかなりの数の魔方陣が展開され始める。
「狐火魔法・日輪」
ジンジャーは、小さな丸い球体、否、小さな太陽を作った。
「今じゃ!!」
リリアナの魔方陣からは光のレーザーのようなものが、ジンジャーの太陽と激しくぶつかり合っている。その衝撃で、二人の間にある、地面はひび割れ、ところどころ、溶け始めているようだ。
「っ!!」
小さな太陽のほうが、威力が強かったのか、光のレーザーを押しのけて、リリアナに命中してしまった。
「な!?まじかよ・・・。」
「・・・。」
俺の心配はどうやら、無駄だったようだ。
「っく・・・さすがに今のは危なかったのじゃ。本当にまずいかもしれないのじゃ。」
結界を間一髪で張ったのか・・・だが、ところどころに、火傷のような跡が見えるが・・・。
「やっぱり、弱ってるのね。普段なら、そうなるのは私のほうだったでしょうけど・・・今回ばかりは、私も運が良かったみたいね。」
「・・・ジンジャーこそ、今のリリアナをなめないほうが身のためじゃ!!」
リリアナは更に魔法を、発動させる。
「『妖精魔法・千の槍』」
リリアナの周りには大量の小さな槍がジンジャーに狙いを定めて今にも発射されようとしている。
「『狐火魔法・怪火』」
狐火とは別の火の玉が大量にジンジャーの周りには浮かぶ。
「今度は負けないのじゃ。」
槍が一斉にジンジャーめがけて発射される。ジンジャーの周りを浮かぶ、大量の火の玉とぶつかり合って、相殺しあっている。が、お互いに同じぐらいの被害も出ている・・・正直、もう見てられないってのが俺の心境だが・・・一番は、あそこで、ずっとここを見ているあいつ・・・やることが邪道。卑怯、非道、人としえ疑うレベルのクズだな・・・。
「これで、終わりじゃ・・・ジンジャー。」
「リリアナこそ・・・諦めが悪いわね。」
「『妖精魔法・傲慢な蒼き雷』」
「『狐火魔法・強欲な紅い炎』」
雷と炎がぶつかり合う・・・狐火魔法のほうは俺が作ったからわかるとしても・・・なんで同じようなセンスの名前の技があるの?俺が作ったわけじゃないよね?
凄まじい、魔法の衝突により、お互いの魔法は爆散した・・・。
「っ!!どうなったんだよ・・・。」
結果だけを言えば相打ち・・・お互いにひどい火傷を負って気を失ったみたいだな・・・。
「命に別状はないか・・・。」
二人の傷の回復に入ろうとした時だった。
「ブラボーだよ、リョウ君。わが娘とよい戦いをしていた、彼女にも感謝しなければな・・・友情のため、愛のために戦う彼女の姿、実に美しかった・・・君もそう思ったのではないのか?リョウ君?」
「ふざけんな・・・こっちは、そんな心境じゃねえよ、後名前も呼ぶな・・・うっとしい。」
「フハハハ!!いいぞ!その憎しみに満ちた目、私のことを憎んでいる目だ!!もっと憎め、恨め、君は最高にいい目をしている。」
「お前の相手をするほど、暇じゃない。」
俺は二人を担いだ。
「無茶苦茶重いな・・・。」
「君は敵を前にして逃げるというのか?イマイ君?」
「そっちのほうが百倍ましなんでな・・・。」
俺は、力持ちじゃないしな、魔法で運ぶか・・・。
「私のことを憎んでいるのにか?それに、仮に娘の傷を治してもだ・・・心優しい我が娘が元に戻ることはないぞ?私を倒さない限りはな!!」
「お前の相手は後でしてやる・・・今は、お前をぶっ飛ばすよりも先のことがあるからな。」
「娘に聞いてたとおりの、甘い人間だな。私が逃がすとでも?それにしても、私を前にしても、私の術にすらかからないその精神、実にいいぞ。イマイ君!!」
「俺はお前の相手をする気はないといったはずだ。『暗黒魔法・ブラックアウト』」
あたり一帯に音も光もそのすべての存在が一時的に消えた。
「お前の相手をする気はないといったんだよ・・・聞こえないだろうが。『創造魔法・無限世界』」
俺の世界に逃げ込むことにするか・・・。
今井君は逃走した。




