130 王都生活18日目夕 10魔将・危険 その3
今回も今井君
「んっぎゃ!!」
「リリアナ!?なんで急にここに?あれ?今井君は?え?」
「赤羽根は落ち着いたほうがいいぞ・・・。」
「リョウ?なんでじゃ?どうしてじゃ?リリアナも戦えたというのに・・・。」
「今井君に何かされたのね・・・後で、お仕置きしておくから。」
「それよりも、リリアナちゃんは大丈夫なのか?元気がないというより少し顔色悪いと思うけど。」
「え?リリアナはへっちゃらなのじゃ。」
「言われてみれば・・・顔色悪いみたいね。少し寝たほうがいいわ。」
「・・・わかったのじゃ。」
「キャハハハ!!私もとっておきを見せてあげる。」
黒い球を作って・・・デスボールかよ。もっと大きいけども・・・ヤバい予感。
「やっべぇ、それはないだろ・・・。」
「キャハハハ!!もっと楽しませて!!もっと遊んで!!」
「それはきつい冗談だな。」
「キャハハハハハハハハハハハハハ!!でも、なんとかしないと壊れちゃうよ?」
「目には目をってな。『暗黒魔法・黒き太陽』」
闇系の大魔法がぶつかり合う。
(解析が完了しました。死霊魔法なるもので、生命力を少しずつ削り取っているみたいです。)
生命魔法の逆ってとこか・・・。
(はい、主もあまりもたもたしていたら・・・)
いや、大丈夫だ。
「キャハハハハハハハハハハハハハ!!今のはよかったよ!!もっと楽しませて!!」
「『生命魔法・不死鳥の息吹』」
「なにしたの!?」
「おまじない・・・。」
死霊魔法がこのあたり全域にかけられているなら上書きするまでってな。
「あ・・・キャハハハ!!気づいてたんだ!!」
「『蒼炎・暗黒・生命・混合魔法・異世界の太陽』」
青と黒の炎に燃やし尽くされろ。
「キャハハハハハハハハハハハハハ!!もっともっともっと、楽しまして!!壊れるまで遊びつくしてあげるから!!」
「俺は大量の魔法があるから尽くされることはないんだぜ。」
「キャハハハ!!なら、もっと楽しめるね!!」
結局魔法は躱されたか・・・。
(スキル堕天の使用を強く推奨します。)
いや、半分しかできないじゃん?
(ですが、推奨します。)
わかったよ・・・。
「信じるからな?『堕天』」
「キャハハハ・・ハハ?本気になってくれたんだね!!じゃあ、私も本当の力を見せなとね!!」
おい?ヤバくなっただけでは?
(いいえ、魔法攻撃力などが倍増しております。)
なるほど・・・変身みたいなのにはこういう効果もあったのか・・・。だから、リリアナもあんなに多用してるわけか。
「キャハハハ!!これならどうするの!?」
魔将が剣を振ります。
「鎧を付けるのかよ・・・。」
「キャハハハ!!もっともっともっと行けそう!!」
剣を捨てて、何かを纏い始めた。
「キャハハハ!!『影纏い』」
黒い靄みたいなものが形を作る。
「本物の影分身かよ・・・。」
黒い魔将が増えて2対1になった。
「キャハハハ!!これが私の切り札!!」
影のほうは無言で攻撃をし続けてくる。
「キャハハ!!その子はしつこいの!!」
「おい、お前は、魔法の構築を開始しろ。」
「オッケー。」
そっちが影分身ならこっちは、分身体を出すから。
「キャハハハ!!幻術はそういう使い方もできるんだ!!どっちが本物か見分け使いないや!!どっちも壊しちゃえば同じだけど!!キャハハハ!!」
「『創造魔法・創造世界』」
「グッド!!『創造魔法・崩壊世界』」
「世界ごと、消えてしまえ。」
分身さんはいつも、おぞましいこと考えてるよなー今回は、分身の魔法の逆みたいなのしただけだが。
「キャハハハ!!確かにこれはヤバい!!ヤバイ!!」
魔将は世界の裂け目にどんどん吸い込まれていく。
「何もない・・・無すら存在しない、世界で朽ちろ。」
「キャハハハ!!これはやられちゃったけど!!」
黒い槍のようなものが俺に刺さった。
「キャハハハ!!そっちが本物でしょ!!その死霊魔法だけは逃れることはできない!!キャハハハ!!相打ち、相打ち!!」
魔将はそのまま、世界の裂け目に引きずり込まれた。
「・・・俺って、そんなに分身ぽいのか・・・。」
なんで、俺じゃなくて、こっちが本物なんだ?態度でかいからだよな?
「うわーこれ、生身ならまじでヤバいな・・・細胞が死滅していく感じだわ・・・治りっこないな・・・。これ食らったの俺でよかったな。」
「感じ悪いけど、まじ感謝。」
「早めに戻ったほうがいいみたいだぞ?」
「なんかあったの?」
「エーアイも少し焦ってるみたいだし・・・。」
「あいつが焦るって相当なことじゃないの?」
「そりゃそうでしょ・・・ジンジャーが寝返った?最後の魔将にやられたって感じかな?」
「父親か母親だったパターン?」
「半分正解。戦ってる最中に何かの術にかかったみたいだな・・・思いっきり寝返ってるわ・・・。」
「お前なんでわかるの?」
「従者ネットワークみたいなのがあるんだよ。」
「え?お前従者になってるの?」
「その権限があるだけ・・・だな。でも、魔王の本陣手前で戦ってるみたいだから、うまくいけば間に合うんじゃないの?」
「エーアイが焦るてことは・・・俺の魔法やスキルでどうにもならない感じか?」
「逆、不用意に近づけないんだよ・・・エーアイまで寝返ったらって可能性?」
「それは、最悪だな・・・今は?」
「様子見ってところかな?」
「ほかの人たちは?」
「兵士とかも寝返ってるから・・・でもうちのはジンジャー以外いないみたいだし。こいつ魔王じゃね?」
「そういうのは、魔王の仕事だよな・・・。」
「じゃ、俺はこれで・・・というよりこれ以上は持たないから。」
「頑張るわ・・・何らかの術か・・・アニメの主人公とかなら何らかのアクションがあるんだよね、呼びかけに反応するとか、操ってるやつぶっ飛ばすとかね。」
「近づけば、操られるってことらしいから手こずってる・・・あ、もう無理だわ。」
分身体は、全部説明せずに消えた。
「エーアイ?聞こえる?」
(主、私は常にそばにいます・・・先に、謝罪いたします。)
いや、いらないから・・・。
(では、ジンジャー様を救えずに、さらには、そのことさえも隠していたことを謝らしてください。)
無理だな。謝る必要ないでしょ。今からそっちに行くから。
寝返りとか、予定外だったけど・・・何とか頑張ります。




