13 魔法やスキルのことで注意されました。
今回は今井君視点。
「あんまりその変わった魔法やユニークスキルなんかはリリアナ以外に見せないほうがよいとおもうのじゃ。」
晩飯中に、リリアナがいきなりそんなことを言い始めた。
「リリアナは別に三人の魔法なんかを独占しようとはせんし、必要以上に詮索もしないのじゃ。」
いや、誰もリリアナのことを疑ったりはしてないと思う。
むしろ、今まで全然俺たちはユニークとか全く考えていなかったのだから・・・。コブリン相手に苦戦するようだったし・・・。今でも魔法の種類が増えただけであり、強くなったわけではないが。
「リリアナ、安心してちょうだい。私はあなたにしか教える気はないわ。」
赤羽根さんは、もともとその気だったのか?
「おお、わかってくれたのか!!」
「うむ、俺も、今、理解できたぞ。」
以外にも先輩は理解できたのか・・・。
あ、皆こっち見てる。なにかやばいこと俺やった?
「リョウは、大丈夫じゃよな?」
ああ、そういうことか・・・。
「もともと、人に教える気も見せる気もなかったから、問題ない。」
「そうか、そうか、わかってくれていたのじゃな?」
「これが、リリアナの心配事だったの?」
「いや、シオン達三人はどうも、常識が足りてないことが多いから・・・その心配になるのじゃ。」
日本人の考え方と違うってことだろう。
ユニークスキルとか言ってたけど。あれらはそれなりにしっかりしたイメージがあればだれでもすぐに手に入りそうなものが大半だったりするんだけどな・・・。
「うむ、食事中に聞くべきじゃなかったかもしれんな・・・。」
あ、リリアナが落ち込んだ・・・。
「そんなことは、ないと思うわ。むしろ、今教えてくれたことに感謝したいぐらいだわ。」
「そうか?そうじゃの・・・。そうじゃな!リュージ達もシオンのように私に感謝してもよいのだぞ?」
「そういうことにしときますか。ねぇ先輩?」
「うむ、感謝してもしきれないのだ。」
途端に、明るい顔してる・・・。リリアナも先輩並みに忙しいんだな。
「じゃあ、私は食べ終わったから、先に風呂に入るわ。」
赤羽根さんは出て行った。
「ちょっと、シオリ待つのじゃぁ~。」
リリアナは走って、赤羽根さんを追いかけていった・・・。
「なんかもうこの光景が見慣れてきましたね。」
「うむ、非常に愉快だな。」
「じゃあ、俺先に、部屋帰りますので。」
「そうか、俺はもうちょっとしたら行くことにするか。」
俺は食堂を出て部屋に帰った。
「・・・。」
部屋には誰もいなくて当然だよな・・・。
こっちの世界にきてからおそらく俺はだいぶ変わった。前の俺のことを知ってる人がいれば、「なんか、雰囲気かわった?」とか言われそうだな・・・。
「リョーーーウ!!」
「先輩脅かさないでくださいよ・・・。」
先輩がなぜか朝から俺の呼び方を今井からリョウと呼んでくるようになった。
「リリアナちゃんから聞いた話だと、魔法やスキルなんかで大体の人は俺のように自分で名前を付けた大技を持っているのが普通だって言ってたぞ?人によっては詠唱を必要とする人もいるとか。」
「へぇ~、先輩はもともとこっち側の人間なんじゃないんですか?」
「だったら、よかったのにな~。だったら俺絶対英雄か、勇者だぜ?」
「先輩が勇者なら俺は大賢者か何かですよ。」
「はっはっは、それは間違いじゃねぇな。」
先輩は魔法よりも肉体のほうを、鍛え始めている。一日そこらで大きな変化はないだろうが・・・。
「ああ、そういえば、帰る途中に赤羽根が次、入りなさい。とか言ってたぞ。」
「それ、普通に風呂空いたから入れ。ってことじゃないんですか?」
「ムム・・・。そういう意味だったのか・・・。」
「冗談ですよ。」
風呂に入って、また朝に起きて、練習をして、何か俺が思っていた異世界とは少し違うな・・・。現代技術、現代知識、チートスキル、とかあの辺で何とかなるものかと思っていたが・・・。この世界では運や技術、発想力が重要ということだけは俺は理解しているつもりだ・・・。
「風呂に入って、寝るとしますかぁ~。」
俺は、ベッドから降り背伸びをした。
ステータスではなく、主人公たちの特徴を書いときます。
名前:
今井 陵(男)
特徴:
黒髪黒目、髪はあまり長くない。それ以外はいたって普通。
体内時計が正確。
性格:
一歩後ろから物事を見ている。
特技:
サッカー
得意魔法
特になし
最近のマイブーム
先輩と赤羽根さんをうまいことくっつけようと考えている。ちなみに現在進展はほとんどない。




