127 王都生活18日目夕 4大魔将・終焉
今回は・・・誰だ?
「そろそろか・・・骸骨も、あいつ等みたいにならないようになっていっても無理か・・・。」
「そこまで、その女が強いというのか?」
「お前じゃ勝てない・・・100%な。演算結果だからな?」
「やってみないとわからないと、あっちの男も言ってたが?」
「それは、可能性がある場合の話、可能性がない場合は別・・・来たか。」
「遅れて申し訳ございません。道中に10魔将なるものが邪魔をしてきたもので、少し時間がかかりました。」
メイド服を着た、緑色の長めの髪をした、魔族の女が巨大な鳥に乗って現れた。
「残りは、3人じゃない?そっちはかなりの被害出てるよね?」
「ご主人様、ここは、私にお任せくださいませ。」
「えっと・・・ベラドンナ?だよね・・・じゃあ、自由にやっていいからな?」
「では、すぐに終わらせます。」
ご主人様は、イーグルに赤羽根様と本村様を乗せてさらに奥へと進んで行かれた。
「貴様、この戦いの中で、魔族のくせに人間の味方をする気か?とか、言われてきたのだろう?」
「それは、あなたには、関係のないことです。」
「ならば、これだけは聞こうか・・・なぜあの人間に肩入れをする?貴様ほどの実力であれば、あいつですら倒せるのだろう?」
「あなたには、言ってもわからないでしょうが、私は、ご主人様への感謝しています。私を生んでくれて、私に名前まで下さり・・・そして、魔王にも匹敵するであろう実力までに達することができたことを・・・そのすべてを感謝しています。一言でいうならば、親を思う子の気持ちってものでしょうか。」
「なるほど・・・お前は、魔族であり、純粋な魔族ではなかったということか・・・だが、お前があいつに使える気がわからん。いつでもお前ほどならば勝てるだろう?」
「私どころか、エーアイですら勝つことはできませんよ・・・本気のご主人様ならばの話ですが。」
「本気を出せないでいるということか・・・?」
「優しいのですよ、私のご主人様は、話が過ぎましたね。では、そろそろ、始めましょうか。」
「よき戦いになることを祈ろうか。」
「私は、戦闘狂ではありませんので、そういうのは、別のお方とやってください。」
「戦闘狂か・・・確かによく言われるな、だが、魔族は本来、戦いの中で生きる種族故のことだ・・・では、まずは様子見と行こうか。『深淵魔法・物の終着点』すべては、一つの答えにたどり着くってことだ。」
このあたり一帯に、空間や、大地が、そのすべてが崩壊し始める。
「全てがたどり着くのは・・・無の世界だということだ。」
「なるほど、この魔法であれば、存在まで消されそうですが、私には効きません。すべての始まりも終わりも同じ無なのでしょうが・・・それは、私には関係のないことです。」
崩壊していたものが、時間が、そのすべてが一瞬にして、巻き戻った。まるで、何事もなかったかのように。
「時間を操れるのか?」
「発想力が、魔法を進歩させる・・・ご主人様の言葉でございます。」
確実に、今井 陵は、そんなことを言ってはいないだろうが、エーアイから、今井 陵という人物のすべてを聞かされていた彼女や、ほかの従者は、この言葉を信じて、自身の魔法に新たな可能性や、新たな発見に繋がっている。
「魔法とは、己の信念であり欲望、私は、一度古代龍と戦い一度瀕死になったこともある。その時の古代龍にかけられた言葉だ。信念なき魔法は魔法にあらず、欲望なき魔法に進歩はあらず・・・とな。」
「その言葉を聞いて、より一層、ご主人様への愛が確かなものへと変わりました・・・そのことについては感謝しますが・・・私は、あなたのことを倒せと命を受けております。」
「戦場で、殺せではく、倒せか・・・。」
「それが、ご主人様のやさしさであり、強さでもあるのです。」
地中から、巨大な植物が出現した。
「『植物魔法・プラントインパクト』」
現れた植物が、まるで、人間の腕のような形になり、そのまま、骸骨の魔将を叩き潰した。
結局だれかわからずじまい。




