116 王都生活18日目朝 王都防衛戦 その5
今回は赤羽根さん→今井君の順です
「ちょっと、リリアナ待ちなさいよ。」
すでに魔法陣を完成させてあとは撃つだけの状態である。
「大丈夫じゃ、ちゃんと調整はしたのじゃ。」
「あなたほんとに大丈夫なの?」
「大丈夫じゃ、それに近くの敵に飛行型はいないようなのじゃ、安心して魔法を撃つことができるのじゃ。」
確かに、周りには、私たちのほかには飛行している者はいないけど。
「広範囲殲滅型の魔法じゃないの?」
「難しい言葉じゃな・・・でも大丈夫じゃ。『妖精魔法・誘導弾』」
リリアナの作った魔方陣から大量の弾丸が、魔王軍にだけ向かっていく。
「そういう魔法もあったのね・・・。」
「どうじゃ、今のはかなり効いたと思うのじゃが・・・。」
数が大量だから、敵には、それほどのダメージじゃないような気がするけど。
「手っ取り早く、幹部か何かでも倒したほうが敵も大ダメージだと思うのだけど。」
「そうか!!その手があったのじゃ。」
今のは失言だった・・・リリアナがさらに奥に飛んでいく。
「ちょっと、待ちなさいよ。」
回復しても、しても、しても、しても、意味ないじゃん。
(主が回復に専念しているおかげで、兵士たちは死なずに済んでいるのですよ。)
そりゃそうだが、むしろそのためにやってるわけだが・・・。
(そろそろ、敵も10人の幹部が戦場に出てくるころだと思います。)
10大幹部ってか?10人って半端じゃないな・・・。
(うち4人が大幹部です。主の言いかた風に言うとこちらが、4大幹部となるのでしょう。)
魔王を含めて11人の強敵ってところか?
(11人の相手をできるものは、主や、ジンジャー様も含めて、8人程度でしょうか。)
数の暴力で負けるんじゃないの?
(Sランク魔導士など一瞬で消されるでしょうね。)
ん?おかしくない?王国最強みたいな連中でしょ?
(詳しくは、Sランクは現1位の『流星』と聖騎士団の騎士団長、副騎士団長ぐらいでしょう。)
それ含めてら、11人?
(そうなりますね。11人すべて知りたいですか?)
一応頼むは、この辺の魔族なら、俺の槍で何とかなるし。
(では、リリアナ様、ジンジャー様、赤羽根様、本村様、主、バカ犬、ベラドンナ、流星、騎士団長、副騎士団長、そして、私です。)
マスターじゃ無理なの?
(彼は、基本、支援型魔法を使う方です。)
あ、そうなのね・・・お前もやっぱり戦ってるんだ。
(はい、現在、傭兵団と同じところで戦っております。)
傭兵って、あのバカ犬と同じところ?
(彼らよりも少し後ろでございます。)
じゃあ、俺も向かおうかな・・・。
「『堕天魔法・堕天使の羽』」
(堕天は使われないのですか?)
使えないんだよ、半分しか。
(私としたことが、申し訳ございません。)
「『オーパイロット・スピア』」
槍が回転し始めた。
(それで、敵をまっぷたつですか?)
しないよ?これで、下から撃ってきた魔法を、はじくための防御方法かな?
(なるほど、私もまだまだ、学習が足りないようです。)
まぁ、人間ならだれでもあるんじゃない?
(私を一人の人間というのですか?)
え、まずかった・・・?
(いえ、嬉しかったです。今この場に、私がいれば、感激で、泣いていました。)
オーバーな・・・。
高度だいぶ低いよな・・・これ、上空にはリリアナたちがいるみたいだし。俺は低空飛行のほうが得意な感じだから、高度低いほうがいいけど・・・下からの攻撃が止まないな。




