114 王都生活18日目朝 王都防衛戦 その3
今回もジンジャー
「援軍が来たようだな。」
青い髪と、犬耳を付けた男がぽつりとつぶやく。
「半端者の分際で調子に乗るなよ?」
体が周りの魔族とは比べ物にならないくらい大きな体を持った男が青い髪の男に向かって吠える。
「巨人族って連中か?お前ら、魔族でひとくくりにされてるからな・・・。」
「魔人族無勢が調子に乗るな。」
「俺は、別に調子にはのってないけどな。」
青い髪の男は、巨人の腕を剣で切り落とした。
「ぐ・・・ただの剣じゃないのか?」
巨人は、自分の切り落とされた腕を抑えながら言う。
「剣は普通の剣、だけど、炎がお前を斬った。」
「半端者の分際で粋がるなよ!!」
「はぁ・・・めんどくさいな、こいつら・・・。」
「ジンジャー、魔族の数、15万ちかくいるよな?あの数は・・・。」
「見えるの?」
「見えないけど、イーグルが情報くれたから。」
「ふーん。イーグルって最近シオリの部屋で飼うことにしたの?」
「そういえば、最近あいつを見かけないと思ったら・・・そんなことだったのか・・・。」
「リョウは、今日は槍使わないの?」
「槍?ああ、忘れてたよ。」
リョウはいつもの槍をまた、作った。
「リョウの魔法って便利よね。」
「俺は便利路線で言ってるからね。」
便利路線でってなによ・・・。
「どうでもいいけど、さっきの話はちゃんと聞いてた?」
「いや、エーアイと念話してた。」
「そろそろ、出番だから、戦闘態勢に入れってだけだからいいけど。」
「ふーん、お?閃光弾みたいなのがでたら、突撃だったけ?」
「そうよ。」
「おわっと、じゃあ、またあとで。」
私たちは人ごみで別れてしまった。
「「「「おおおーー!!」」」」
「ちょっと・・・あ、リョウ・・・。」
と、思ったら、誰かに持ち上げられた。
「突撃命令出てるのに何きょろきょろしてるのよ・・・。」
「シオリ?」
「そうよ。私は飛べるから、このままで悪いけど、戦場までこれでいい?」
「しょうがないわね。」
「いや、私のセリフだからね?」
シオリの羽は青い蝶のような羽って聞いてたけど・・・本当にそうなのね。普段は雷やら、音やらを使ってるから、シオリの妖精魔法を見るのは何気に初めてかも。
「あ、目を離したから、リリアナが突撃しにっちゃった・・・。」
「リリアナなら大丈夫でしょ。」
「リリアナは強いからいいけど・・・リリアナの魔法は殆ど広範囲攻撃だから・・・。」
そういうことか。
「もう乱戦状態の場所で、魔法撃ったりするかもしれないってこと?」
「そうよ、リリアナは、派手なことをやりたがるから・・・。」
「あなたの魔法も十分派手だと思うけどね。」
「リリアナと比べればかわいいもんよ。」
あれと比べたら、私なんか、足元にも及ばないじゃない。それと引き分けた、リョウの実力って・・・。
「じゃあ、そろそろ、おろすわね。」
「おかげで、ずいぶんと楽に戦闘に入れそうね。ありがとう。」
「じゃあ、私は、リリアナを抑えに行くから。」
シオリは面倒見がいいから・・・おかげで助かったけど。
「じゃあ、私も、そろそろ、戦おうかしら。」
ちょうど、私に向かってくるやつがいるみたいだし。
「オリャァア!!」
「高い知能を持った、オーガってところかしら?」
「誰がオークじゃ!!」
「そんなこと言ってないでしょ。」
「突っ込みでヘッドショットって・・・さすがジンジャーだな!!」
「ジョーダン?あなた、意外に戦えてるじゃない。」
「修行したからな!!」
意外なやつがいたけど、この程度なら、ほぼ一撃ね・・・ジョーダンじゃ無理みたいだけど。
魔王軍は魔獣と魔族が混ざってるのだ!!魔獣だらけなわけではない。




