11 しばらくリリアナの世話になることにした。
今回は本村君視点。
「先輩大丈夫ですか?」
「お、おうよ。」
俺はそういってベットに寝転がる。
「先輩、今日は疲れましたね。」
「俺は、すごく疲れた・・・。」
確かに非常に疲れた。
元の世界では俺は、こんなにテンションは高くはなかったんだが・・・。まぁ、多少は他人よりは高かったかもしれないが・・・。
しかし、俺は最初、横で泣いてる子に何もできずに騒いでるだけのバカだったからな・・・。バカは今もか・・・。今井、こいつは、ふざけてるようで常に冷静だからな。俺はこいつに今日だけで何度助けられたことか・・・。
「先輩寝ました?」
「いや、眠れるわけないだろ?」
「先輩も考え事してたんですか?じゃあ、今から俺、寝ますんで。」
「おう、お休み。」
「お休みです。」
コブリンに襲われたときに若干ふざけて流星拳とかやってたが・・・本当に習得するとは・・・。この世界は、おそらく、魔王とかいるんだろうな・・・燃えてきたぞ。まぁ戦う気はないがな。
さすがに眠くなったから、俺も寝るとするか・・・。
「先輩、朝ですよー。」
「ん?もう朝か?」
「ええ、朝ご飯だって、さっき赤羽根さんが部屋に来ましたよ?」
「ならば、行くか。」
「ういっす。」
今井は、こう見えて、しっかりしてるんだな・・・。
「おお、リュージ達も起きたか。」
「ん?リリアナちゃんも今起きたのか?」
「リリアナはリリアナの時間に起きるのだ。」
・・・。リリアナちゃんは案外俺よりもバカなのじゃないのか?
「ささ、ご飯ですよー。リリアナも早くいかないと先輩に食べられちゃいますよ?」
「それは、困るのだ、リリアナは朝ご飯を食べないと一日活動することはできないからな。」
しかし、今井は人の扱いがうまいのだな。
「あら、今起きたのね。顔に今起きましたって書いてるわよ。」
「なにっ!?」
まじか?そんなこと書いてあるのか?
「冗談よ。」
「冗談なのか・・・。」
冗談だろうと思っていたよ。うん。嘘じゃないぞ?
「そういえば、朝ご飯は、シオリが作るって言っていたな。」
「ええ、タダで寝泊まりさせてもらうのはなんか悪い気がしたから、せめて、料理ぐらいはって。」
「赤羽根の料理か、楽しみだな。」
「先輩にも、そんなこと考えることで来たんですね?」
「当たり前だ。俺をなんだと思っているのだ?」
「先輩は先輩ですよ。」
ずいぶんとうれしそうな顔で歩いていく今井。何がうれしいんだ?
「リリアナも、シオリの手料理楽しみだ。」
そういってリリアナちゃんも食堂に歩いて行った。
俺も、ささっと食堂に行くことにするか。
「いただきまぁす。」
「「「いただきます。」」」
なぜか俺の声が掛け声になっているが、まぁ問題はないだろう。
「うむ、シオンの料理はおいしいのだ。」
そういってリリアナはパクパク食べている。
「確かにおいしいですよね。先輩。」
「うむ、意外と赤羽根は料理ができたのだな・・・。」
「そ、そう?口に合わなかったらどうしようかとか思ったけど。あなた達には関係なかったわね。」
「そうそう、先輩はきっと、赤羽根さんの手料理なら死ぬほどたべてくれますよ?食べますよね?先輩?」
「お、おう、俺は、美食家だからな!」
流れでいったが、美食家ってなんだ?
「そういえば、シオン達は今日はどうするのだ?」
「さぁ?本村君何か予定ある?」
「い、いや、とくには、ないが・・・。」
「そうか、そうか、ならば、しばらくは、リリアナの屋敷で暮らすといいぞ。」
「それは迷惑じゃないのか?」
今井はでもそういう考えがあるのだな・・・。
「リリアナの心はこの森よりも広く、広大なのだ。」
「じゃあ、その言葉に甘えるとしましょうか。」
そういって、赤羽根は食堂からでていった。
「先輩、じゃあ俺、部屋帰りますね。」
「ま、まて、俺も今行く。」
危うくおいていかれるところだった。
本村君視点ってあんまりやってなかったような・・・。




