10 夜ご飯をごちそうになりました。
今回も赤羽根さん視点。
「そういえば、お前たちは、これからどうするんじゃ?」
肝心なことを忘れてた・・・。
もう日は暮れてきている。
私たちは今、住所不定、職業なし、無一文・・・。最悪じゃない・・・。
「そーいえば、決めてなかったですね。先輩はこれからどうするんですか?」
「特に予定はないな。」
まぁ、私も忘れてるようなことをこの二人が考えてるわけがなかった。
すると、リリアナはすごくうれしそうな顔をしてしていた。
何がうれしいのかしら?
「どこにも行くとこがないのか?」
「うむ、俺達三人は何にもないのだ。」
「なら、リリアナの屋敷でゆっくりするといいぞ。」
もしかしたら、リリアナは、いつも一人なのかしら?
そのまま、リリアナが手を引っ張ってきた。
「シオンこっちへ来るのじゃ。」
そういって、私の手を引っ張る。ちょっと同じくらいの子と、手をつなぐのは恥ずかしい気がする・・・。今井君は冷たい目でこっちを見てた。やめて、私、そっち系じゃないから。本当に違うから。
そして、リリアナは、私をある部屋に連れてきた。
「ここが、リリアナの部屋じゃ。シオンはこの部屋で寝泊まりしてくれ。」
「・・・。」
「図々しかったかのぅ・・・。」
「いいえ、そうじゃないわ。ただちょっと、なんか、こういうのも悪くないなって・・・。」
「そうか、そうか、ならよかった・・・。」
そういえば、まだ、こっちにきて1日もたってなかったのね・・・。
あの二人のおかげか、最初の時より随分と気が楽になったけど。
「このベット超寝心地よさそうですよ。」
「うぉぉぉ!!今日は枕なぁげぇじゃぁぁ。」
・・・。この二人は、絶対に騒いでないと生きていけないのかしら。少し私とリリアナがどこか行ったら、すぐにこうやって騒いでいるんだから。でもこの広い屋敷で、見つけるのに苦労しなさそうね・・・。
「二人とっも何をやってるのよ・・・。」
「先輩のせいで、赤羽根さんが怒ってますよ。これはDOGEZAの出番では?」
「俺はDOGEZAはしない!!」
「土下座しなくていいから・・・。」
「先輩のせいで、赤羽根さんが冷たい目でこっち見てますよ。」
「なんだと・・・。」
そんなつもりは、まったくないのに・・・。毎回毎回、こういう会話になるのよね・・・。
「みな、晩飯ができたのだ。」
そういってリリアナが部屋に入ってきた。
そりゃあんなに騒いでいれば、すぐにどこにいるかわかるか・・・。
「リリアナちゃん料理作れるのか?」
「リリアナは作れないに決まっているであろう。」
どうやって、作ったのよ・・・。
「全部、メイド任せじゃ。」
「エルフメイドォォォォ!!」
本村君は・・・。
「先輩ゴーレムとかだったらどうします?」
「それも、ありだな・・・。」
「フフフ、安心してよいぞ。みなエルフメイドじゃ。」
「リリアナちゃんは貴族か何かなのか?」
「あ、それ、私もすごく気になってたのよね・・・。」
「リリアナは貴族ではないが・・・。族長ではあるな。」
リリアナあなた、随分と雲の上の人じゃない・・・。
「そんなに若いのにリリアナちゃんは偉いな。はっはっは。」
「リリアナはこう見えても500年生きておるのだぞ。リリアナからすれば、リュージ達のほうが若いのに偉いと思うぞ。」
「・・・。」
今井君はなぜか冷たい目で見ている・・・。
「と、いうのは冗談じゃ、まだリリアナは二十数年ぐらいしか生きておらん。」
実は年上だったのね・・・。
「リリアナちゃん実は年上だったのか・・・。やはりエルフか・・・。」
エルフって確かに長寿って聞いたことはあるけど・・・ほんとに若いのね。
「そんなことより、晩飯じゃぁぁ!!」
そういえば、昼ぐらいに森で、ずっと腹減ったとか言ってたのによくも耐えれたわね・・・。
それにしても、本村君はお腹すいてるのかしら・・・ずっと元気だったから、よくわからないわね。
「うむ、では食堂に行こうではないか。」
「よっしゃぁぁ!!めしぃぃぃ!!」
「先輩食堂何処かわかるんですか?」
そういって、二人はどこかに走っていった。
「フフフ、ほんとに仲が良いのじゃな、まるで昔から仲の良い友人のようじゃな。」
「私も、そう思うわ。」
確かに、考えてみれば、私たちは今日知り合ったのよね・・・。
「もちろん、シオンも含めてじゃぞ?」
「そういうあなたも、随分と仲がいいわよ。」
「そうかのぉ?そうじゃな、うん。」
なんか、顔赤くして照れている。意外とリリアナもかわいいとろあるじゃない。
「さて、リリアナ達も行くとしようぞ。」
「そうね。いきましょう。」
食堂に着いたら、二人がもうすでに椅子に座っていた。
「先輩が突っ走っていくから、リリアナと赤羽根さんが呆れた顔で見てますよ。先輩を。」
「なんだと・・・。」
このノリにも、随分と慣れて来たものね。
「うむ、じゃあリリアナ達も座ろうか。」
そういってリリアナは二人の近くの席に座った。
「シオンもこっちに来るのじゃ。」
そういって、リリアナは隣の席をポンポンと叩いている。
「そうね、そこに座るとするわ。」
「では、いただきまぁす。」
そういって、本村君がすごい勢いで食べ始めた。
「先輩焦りすぎですよ。」
そんなこと言ってる、今井君はすでに、本村君と同じ量を食べてる。
この二人のどこにあんな量の食料が入るのかしら?
「これは、リリアナ達も負けてはおれんな。」
あれ?これ、私もあんなに食べないとダメな感じ?
「え?私たちもあんなに食べるの?」
「うむ、当然じゃ、リュージ達に負けてはならんぞシオンよ。」
そういって、リリアナもすごい勢いで食べ始めた。
まぁ、私は私が食べるれる分しか食べないけど。
「シオン・・・。リリアナはもうダメじゃ・・・。」
「無理して食べるからでしょ・・・。」
「だって、リュージ達が食べれてるからいけるかと思うものじゃろ?」
「普通はあんな量食べれないわよ・・・。まだ食べてるし・・・。」
「リリアナは、部屋に帰るとするかの・・・。」
「そう、なら私も行こうかしら。」
「まだ食べててもよいのだぞ?」
「私はもう十分食べたわよ」
正直あの二人の胃袋と比較しないでほしい・・・。
あの二人、今日ここに来ることになってなかったら、どうする気だったのかしら?
今回はステータス変化なしです。




