序章 真っ暗闇の筐体(きょうたい)の中で
【御挨拶】
はじめまして、久しぶりに作品をご投稿させていただきます。
未筆ながら本作は少しでも楽しんでいただければという思いで描かせていただいたSFファンタジー小説でございます。
少しでも読んでいただいた方に「面白い」「楽しい」と思っていただけると幸いでございます。
また、お読み頂き、ご感想、ご指摘を頂けますと幸いでございます。
――ねぇ、あの人は思い出してくれるかな......
『さぁ、それはどちらとも断言しがたいね。でも、どうして今さらそんなことを訊くんだい? やっぱり、あんな約束をしたことを後悔しているのかな?』
――ううん。そういうわけじゃないよ。ただ、やっぱりちょっと寂しいの......かな。こうなったのは仕方ないことだし、過去を変えるなんてことができないのはわかってるつもりだけど、やっぱりこの気持ちに嘘はつけないよ。
『そうか。そんなに、あいつに会いたいのか』
――当たり前だよ。もう何年も会えずにいるんだから、会いたいに決まってるじゃない。
『でも、残念だけどあいつは君のことを忘れてしまっているよ』
――それでも、私は待ち続ける。だってあの人は今まで私との約束を破ったことなんてないもん。
『......それは少し言い過ぎじゃないかな? あいつはどちらかといえばわりと平気で嘘をつく類の人種だと思うけど』
――うっ、ううーー。た、確かにちょっとだけ言い過ぎちゃったかもしれないけど。それでもこの約束だけは絶対守ってくれるもん!
『強がるねぇ。でもさ、そろそろそうやって虚勢を張っているのも限界なんじゃないの? 今の君の消え入りそうな声には気力が全然感じられない。いい加減認めたらどう? 本当は忘れられたことが怨めしいんじゃない? 自分はこんなに苦しんでいるのに、今も外でよろしくやってるあいつが妬ましいんじゃない?』
――そ、そんなこと......
『おいおい。ない、なんてどの口が言うんだよ。最近少しずつ〈怨〉が漏れ出してしるくせに。別にいいじゃないか。もしかしたらそういう碌でもない感情が願いを叶えてくれることだってあるかもしれないんだからさ』
――で、でも。そこで、そこで認めてしまったら余計に......
『〈怨〉は溢れ出すだろうね。だけど、それでいいんだ。それこそが僕達には一縷の望みに繋がる。あいつのことを愛しているんだろ? 殺したいほどに。きっとあいつもそうだと思うよ。だって君達は悲しいくらいに弱いんだから。だったら、変に強がったりしないで素直になっちゃいなよ。溜め込んでいるその思いの丈を全部〈怨〉に込めちゃいなよ。それはきっとあいつだって望んでることだ』
――............
『あいつだってこんな何にもない空虚な時間に意味なんて見出してないはずだ。だって弱いんだからね。あいつの最弱っぷりは君もよく知ってるだろ? だったらさ、いい加減帰ってきてもらおうよ。僕はもう、うんざりなんだ。こんな詰まらない景色を眺め続けるのは退屈なんだ。あいつは仮にも