委員長の悩み事
彼女のことがあってから、彼の様子がおかしい。
急に他の子と居るようになった。
心配はしている。だけど私は。
あの子といる所をみて、似た者同士だな、と思った。
誰も居ない放課後の教室。話す男女が一組。教室のドアの前に、少女が一人。
「・・・・大丈夫なの?」
「何が?」
「・・・青菜さん。」
「・・どうして?」
私は、少しずつ、言葉を選びながら、話を続ける。
「だって、彼女昔・・。あれは、私のせいでもあるけど、」
「僕もだよ。」「え?」
「それをゆうなら、僕も同じだ。」
「でもっ、優と青菜さんのじゃ、おかれてた状況が、」
「でも、分かってあげられるのは、僕だけだ。」
優が、なにを言っているのか分からない。
「じゃあ、鈴花はもういいの?」
「そうゆう意味じゃ、」「だってそうじゃない!」
ほんとに、どうして、
「なんで、鈴花の所にいてあげないの!?鈴花、今危険な状態なのに!」
「・・・」
「うぅ、ひっ・・なん、で・・っ!」
鈴花の気持ちわかってるの、この男は。
どうして、分かってあげないの。
「月仲、・・ごめん。」
「・・・っ、は?」
「僕には、こうするしか、ないんだ。」
なに、それ。
「もう、関わらないでくれ。お願いだから。」
私が反発しようとする猶予もないまま、優は教室から出てしまった。
「ほんとに、なんなのよお。」
意味がわからない。
「もう、知らないっ!」
・・・私、なに言ってんだろ。
「はあああ・・、」
大きな、溜息が出た。
今日はもう、鈴花のお見舞いに行って、すぐに家に帰ろう。
そう思って鞄を手に取ったら、教室のドアが開いた。
「優?忘れ物・・・あ、」
ドアの前に立っていたのは、青菜さんだった。
「あ、ごめんなさい。西川くんだと思ったの。」
私が謝罪を口にしても、青菜さんは何も言わない。
「青菜さん?・・・もう。」
やっぱり、この子はおかしい。
関わりたくない、直感的にそう思った。
「・・じゃあね、青菜さん。」
「・・・・コレは必要ないんだよね、西川くん。」
問いかけるように青菜さんが呟いた独り言。
・・・やっぱり、変な人。
無視して、通り過ぎようとした。
「私、できるよ。ふふっ!」
「・・・は、」
悲鳴も、あげられなかった。
それは、唐突に訪れて。
唐突に、終わった。