とある精神科医の憂鬱
あの子の精神、崩壊してる。
治し方を知らない私は、どうすればいいの。
やけに小綺麗な部屋。飲みかけのコーヒー。一人の患者のカルテ。
悩む、精神科医。
「はあ・・。」
このカルテを診る度、溜息が出る。
「んで?この子に何かあるの?」
私は、相談がある、と言って来た、元患者の西川優に視線を向ける。
「その子昔、僕と同じ小学校だったんですよ。」
「ふうん、で?」
「その人のことが、知りたいんです。」
「・・・は?」
この子はいったい、何しに此処へ来たのだろうか。
「私に聞かれても。」とゆうか、なんか悲しくなる。
「だって先生、知ってるでしょ?」
「そりゃ、知らないわけじゃないけど・・・。」
「ほら。」
「あのねえ、趣味とか好きなモノとか、そうゆうんなら、自分で聞け。」聞いても無駄だと思うけど。
「・・・先生、なんか勘違いしてます?」
「・・・え?」
「僕が聞きたいのは、どうして青菜さんが精神病院に入院したのか、ですよ。」
・・・あ、そう。なんか無駄な心配して損した気分。
「・・・とゆうかあんた、どうして青菜がここに来たって知ってんのよ。」
「思い出したんです。」
「なにを?」
「昔、僕があんなことになる前に、ここにいった人がいたな、って。」
「ふうん。でも、どーしていま、あのこのことが気になるの?」
「・・・なんでも、ないです。」
「ふうん・・。ま、あんまり女の事情に深入りすんなよ。」
「・・・分かりました。とゆうか、教えてくれないんですね。」「当たり前だ。」
このとき、少しだけ垣間見えたこの子の闇に、気づいてあげられなかった私に、自己嫌悪する。