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偽物恋情

これが、私の愛の作り方。


私の彼への好意の花束。






生活感のない、真っ白な個室。





「・・・久し振り。」


私の元へ来たのは、昔私の担当医だった精神科医。


「突然面会なんて、どうして?」


「・・・いや、ただ、どうしてるかなって。」


「・・・西川くん、どうしてます?」


きっとこの人は、知ってる。


度々西川くん、この人の所に行ってたみたいだから。



「西川くん、幸せそうですか?」


「・・・・どうして?」


「あの女を殺したとき、西川くん、私のことすっごく怒ったから。」


「・・でしょうね。」


「何で怒るの?」


「何でって・・・!」



「これが私の、愛し方なのに。」



「そんなの愛じゃない・・。」



顔を悲痛に歪ませて、この人は言った。


「そんなの、違うわ・・。」


「どうして?」


私は知らない。


「愛って、どうやって作るの。」


「それ、は・・・、」




分からないから、私には。


愛も、恋も、そういう感情、全て。



「・・・邪魔だったから、殺したの。」


「・・・・・え?」


「これって、嫉妬、かなあ。」


「・・・そうね。」


「私、先生も殺しちゃいたいくらい嫌いだよ。」


「っ、・・・そう。」



本当は、知ってる。


分かってた。


西川くんの気持ちとか、色々。



「だって先生の方がきっと、」



西川くんの大切に入ってる。






次に来たのは、女刑事だった。



「瀬佐柚瑠と言います。初めまして。」


使い回されたような笑顔で、自己紹介をしてきた。



「西川くんに会いましたよ。」


「・・・そう、ですか。」


「由織ちゃんが事情聴取のときに何度も名前を出していたそうなので、気になって家まで押し掛けちゃいました。」


「・・・・うるさい。」


「ふふ、とっても格好よかったですよ。」


「黙って。」



西川くんの家に、この女が入った。



「殺したい、ですか?」


「当たり前です。」



「嫉妬、しちゃいました?可愛いですねえ。」



うるさい。


うるさい。


「でも、全然可愛くないです。」


「知らない。」


「世の中、嫉妬でほいほい人が死んじゃうのはよくないと思うんですよ。」


「良いじゃないですか。ほら、私はこうして、捕まってるんだし。」


「良いわけないでしょ!?」



急に、別の人に変わったみたいだった。


しゃべり方とか、声の大きさとか、全部。



「あなたが捕まって死刑になっても、殺された人は戻ってこないんですよ。」


「・・・知ってる。」


「あなたのその一時の気持ちで、ちゃんと明日がある人の明日が無くなったんですよ。」


「・・・」


「その人たちの家族も、人生壊されちゃったんですよ。」


「・・・・・」



何も、知らないくせに。


うわべだけの愛情も、大切も。


それの辛さも。




「・・・言いたいことは、それだけ?」


「・・・・そうです。」


「だったら、もういいですか。」




これ以上、私を責めないで。



全部、知ってるから。


私が最低なことも、愛されていないことも。




だから私に、現実を突き付けないで。













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