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破壊と消失2
西川くんは、私の初恋の人だ。
好きで好きで、仕方がなかった人。
「西川くん!」
「そうだけど・・・。」
「私のこと、覚えてる?覚えてるよね?」
「え?えーと・・。」
「ゆーくん?」
私と西川くんが話していると、他人が話しかけてきた。
「ゆーくん、青菜さんのこと、覚えてるの?」
「あおな・・ああ、青菜さんね。久し振り。」
「・・・。」
どうして、私以外の女と話してるの。
「青菜さん?」
「もう、ゆーくんたら何したの?」
「僕は何も・・・したのかな・・?」
どうして、どうして。
私を忘れてたの。
あ、そうか、こいつが悪いのね。
きっと、西川くんは脅されてるんだ。きっとそうよ。
だって、私のことを忘れてるはずないもの。
私は、西川くんの大切な人だもの。