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溢れた愛情

あの子は一人で頑張りすぎで。


神様がいるなら、あの日の不幸を取り除いてくれればいいのに。


私が、身代わりになったっていいから。





今より綺麗な建物。


まだ旋鍵されてない扉。


あの日の続き。





「もうちょっと、自覚を持ちなさい。」


「自覚って?」


「あんたは、普通じゃないってこと。」


言ったって、きっと自覚なんか持たないのだろうけど。



「私は、普通です。」


目線も合わせずに、言い切る少女。


「・・・あっそ。」


「・・・・・でも、普通は嫌い。」


「普通が一番よ。特に、あんたみたいなのは。」



それから少女は、何も言わずに席を立った。


・・・あ、そういえば。



「ねえ、あんたの弟は?」


最近見なくなった、男の子。



「ロビーなんじゃないですか。」


「・・・そう。」



あの子は、気づいたのね。


自分の姉が、みんなと違うって。



「・・・・はあ、」



溜息が出るのも、仕方がないと思う。



「・・・屋上に行こうかな。」


幸い、今からの診察はないし。




屋上へと続く階段を、音をたてて歩く。



「ん?」


屋上の扉が開いている。


・・・誰かいるのか?




「あぶないよー!」



あの子の声が、聞こえた。



少女と屋上に来たのか?


いや、少女はすぐ帰りたがるだろうし、じゃあ、誰と?



屋上を見ると、



女が、落ちて・・・・。



「なっ!?あ、見ちゃだめ!!」


「え、」



とっさに、あの子を抱きしめた。



「先生、お姉さん、おち、て・・・」


「大丈夫だから、落ち着いて、」


「う、ああ、おねえ、さんが、ああ、うああ、っ!!」


「安心して、お願いだから、」



それからこの子は、おかしくなった。




あれから、一応は治ったものの、やっぱりあれは心に深く残っているようだ。




「きっと、僕はお姉さんに呪われたんですよ。」


「そんなこと言わないの。」


彼の気持ちは、分かる。


だって、目の前、だし。



「・・・私は、どうすれば君を救える?」


「え、?」



想いが、溢れる。


私が、助けになってあげたい。



きっと、これは・・・




「好き。」


「せんせい・・・?」



いい歳した女が、何を言っているんだろう。




・・・でも、この気持ちは、きっと嘘じゃない。





















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