命の代償
目が片方、見えなくなくなった。
額に、傷もできた。
別に、ゆーくんのせいじゃない。
むしろ、私には好都合。
だって、これでゆーくんは、私を忘れない。
衣服と肌がこすれる音。鏡の前に立つ少女。
外される、眼帯。
私とゆーくんは、結ばれるって思ってた。
だって、そうだよ。
ずーっと一緒にいて、結ばれるって思っても、全然おかしくない。
だけど、現実はそうじゃなかった。
私とゆーくんの間に、よく分かんない人が入ってきた。
突然入ってきて、私からゆーくんを奪っていこうとした。
そして、私のことを襲ってきた。
そんなことしたって、私からゆーくんを奪えるわけ、ないのに。
「え・・・愛お姉ちゃんが、亡くなった・・?」
お母さんが私に、ゆーくんの姉の、西川愛が亡くなったことが知らされた。
それも、自殺で。
「最近ほんとに物騒よねえ・・・、鈴ちゃんも、こんなことに、」
「・・・」
お母さんの声は、聞こえなかった。
私は、ゆーくんを助けなければならないという思い一心で、急いでゆーくんの家に向かった。
だめだよ、ゆーくん。思い出しちゃ、だめ・・。
あのときみたいに、また、私の前から居なくなるなんて、だめ・・。
「は、はあ、はあ・・ゆーくん、ゆーくん!!」
必死にゆーくんの家の呼び鈴を鳴らす。
ゆーくんの部屋の開いた窓から聞こえたのは、とても可愛らしい、女の子の声で。
「西川くん、何か鳴ってる。」
「・・・何でもないんじゃない?」
目が、あったのに。
ゆーくんが発したのは、拒絶。
ゆーくんには、私が大切では無くなってしまった、そう考えるのが、とても、怖い。




