その行為の必要性
翼なんかいらないけど、自由になりたかった。
富も名誉もいらない。
キミは、幸せすぎて、壊したくなる。
だから、あたしの不幸をあげる。
白い病室。枯れた醜い花。ボロボロな、女。
「・・・キミは、あたしをどう思う?」
「んー、お姉さん?」
疑問を疑問で返され、少し自分に自信がなくなる。
「ゆーちゃーん!」
この子の姉らしき人物が、この子の名前を呼ぶ。
「どーだった?お姉ちゃん。」
「私は異常じゃないの、ふつーだよ。」
「・・・そっか。」
・・・・そうか、あの少女も精神病院が必要なのか。
でも、あの少女は末期じゃないのか。
少女が気づけば、元に戻せる。
あたしは、気づくのが遅かった。
気づいたときにはもう、誰もあたしのそばにはこなかった。
「・・・もう、だめだなあ、あたし。」
妹は、どうしているだろうか。
こんなことを考えていること時点、どうかしてる。
「・・もう、自由になりたい・・。」
誰かを巻き込んで。ほら、あたし寂しがり屋だから。
「あ、お姉さん。」
「あ、また会ったねえ。」
あの子に。
「キミは、幸せ?」
「うん、母さんも父さんも、・・・お姉ちゃんも、いるし。」
「・・・・・そっかあ、」
即答かよ。・・・幸せ、なんだ。
「・・ねえ、一緒に、屋上行かない?」
「うーん、・・いいよ。」
「うん。」
あたしは、この子の手を引いて、屋上に向かう。
あたしは決めた。
この子に、あたしの不をあげる。
「うわ、風がすごい・・。」
「・・・・そうだね。」
絶好の、自殺日和だ。はは。
「じゃあ、キミは今からあたしのこと、ずうっと、見とくんだよ。」
「・・・えと、うん。」
「約束、だよ。」目なんて背けちゃ、見えないし。
「わかったよ、お姉さん。」
子供は素直だなあ。
「なんか、お姉さんは、僕のクラスメイトに、少しだけ似てるかも。」
「ふうん?どんな人?」
一応答える。
「え、と。・・・よく、分かんない人、みたいな、」
「・・・そっか。」
ほんと、素直だなあ・・・。
「じゃあ、見ててよ。」「分かってるよ。」
フェンスに、ゆっくりと近づく。
毎夜、せっせと作ったこのフェンスの穴をくぐって、そこに立つ。
「お姉さん?あぶないよー!」
あの子の声が聞こえる。
「だーいじょうぶ。あたし、強いから-。」嘘だー。
ふわって、浮いた。
さぞ、びっくりしただろう。あの子は。
・・・・あたしの不幸は、連鎖するかな。




