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君と二人で 21

「だからさ、優くん…頼むから、あいつが“何で?どうして?”とか言って訊いてきたら答えてあげて。じゃないとあいつ本当におかしくなっちまう


今まで…耐えてきたんだよ。


優くんのことについて知らない事が多いから」

優くんに何かを頼むのはもしかすると初めてかもしれない。

いつもアホみたいに振る舞ってる俺だから嫌だと断られるかもしれない。

それはお前の責任だと言われるかもしれない。

そんなこと言われたら俺には返す言葉が無い。…だから今まで頼んだこと無かったのかもな。そもそも頼んでるのは俺だから。決めるのは優くんだ。

これ以上俺たちキョウダイに付き合ってられないって言って縁を切られたりでもしたら大惨事だ。

俺はこれでも優くんに誤解を解きにきたんだから…。

「本音言うとさ、俺は優くんのこと嫌いじゃないよ。

どっちかってゆーと好きに分類される人間だ。友達だったら楽しいだろうなって思う。

けど妹の好きな奴ってだけで嫌いなんだよ。

妹が好きな物は昔から無くなればいい、俺だけでいいって思ってた。」

言葉にすると本当に俺は妹のことが好きなんだと思った。こんなに好きになるとは思わなかった。

あの頃の俺が今の自分を見たらどういう反応するんだろ…

有り得ないっ!とか言って叫ぶか?


一通り話終わった後伸びをしていたら優くんが尋ねてきた。

「それだけか?」

「んー」

曖昧な返事をするともう一度訊かれた。

「うん!さっすが優くーん!まだ続きはあるよ」

優くんに視線で続けろと促したので話すことにした。もうちょい休憩したかったんだけどなぁ…。

「それはきっかけに過ぎなくて本当はこっからが一番話したかった事。」

ふぅ、と息を吐き出す。鼓動が少し速くなってきた。

「その後、病院で入院している俺の見舞いに智祈は毎日来るようになった。

その時は俺達の仲は良くも悪くもなくてただ単に血のつながってる兄妹っていう認識しかしていなかった。

どっちかってゆーと俺はあんまり智祈が好きじゃなくて智祈は俺と仲良くなりたいって感じだったな、

だから毎日見舞いに来る智祈を不審に思った。

見舞いっていうより監視されてるって感じがして本当は嫌だった。来て欲しくなかった」

今まで一日中一緒に居ても交わす言葉が少なくて沈黙ばかりが続くような相手だった。そんな人にいきなり親しく接しられたら誰でも奇妙に思うだろう。

今じゃ立場が逆だもんな

この話をしたらたぶん俺の知り合いは程度の差はあるだろうが全員驚くだろう。

「毎日来ればあいつに会えるとでも思ったんだろうな。その時智祈が何を考えているのか今となっても全然分かんねーけど。もしかしたらそいつの事が“知りたかった”のかもな。

でもあいつは一度も俺のところに来なかった。

そんでもって入院中いつの間にか俺たちの仲は良くなってた。」

少し話すのが疲れてきた。普段話すことを苦とは思わないが流石にあまり楽しい話題でないだけあって疲労感がどっとくるな

先週投稿し忘れてました・・・すみません

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