君と二人で 13
「ホントはさ…自分で言おうと思ってたんだけどね、」
先に声を発したのは宮ちゃんだった。
「春海に言われちゃった」
あははと笑いながら前髪を触る。
どうしてだろう…俺の周りの女の子はみんな強がって……笑う
「俺は…和奏のこと好きだよ」
「いいよ、そんな嘘。霞月とは昔からの付き合いだから知ってる。
霞月の中では妹とそれ意外なんだもん。…私はそれ意外でしょ?」
頷くことしか出来なかった。否定しても宮ちゃんなら嘘だとすぐに分かるだろう。
「いつから…その、俺のこと…?」
曖昧な言葉だったが和奏は何を言いたいのか察して答えてくれた。
「んー初めは全然そんな風に思ってなかったんだけどね、中学の時かな。
でもそれを自覚したのは高校の時。
ほら、あの時いろんな人に絡まれてたでしょ。それで助けてくれた時に好きなんだって気付いた。」
「で、今は有栖川が一番なんだ?」
宮ちゃんは一瞬目を見開いて驚いたようがすぐに笑顔になった。
「かづは何でもお見通しだね」
「宮ちゃんとは昔からの付き合いだからね。でも智祈によく女心がわかってないって怒られる」
そんなこと無いのに、と呟くと宮ちゃんが吹き出した。
「プッ、ハハハ
智ちゃんも言うようになったね」
「昔はそんなに怒んなかったのにね」
「かづが悪いと思うよ」
「宮ちゃんまでっ!?」
理由も分からず責められるのは結構くる。宮ちゃんみたいな子に言われると特になー…小学生の頃からの付き合いだしこのサークルの中で一番まともな子だから。
でも一番の権力者だ。下手に関わったら家に帰れるか分からない。それくらい恐ろしい。可愛い顔して中身は鬼な部分がある。隠れ鬼畜だね!
「あの、さ…」
「ん?」
のほほんとした空気が醸し出たと思ったら宮ちゃんの緊張した声がした。
「かづが良かったらでいいんだけどまた…昔みたいに名前で呼んで?」
「名前?」
予想外のことを言われて戸惑った。
「そう。ダメ…かな?」
上目遣いなんてどこで覚えてきたの!?一瞬ときめいちゃったよ!
「それで俺への気持ちにキリがつくならいいよ」
「意地悪」
「それはお互い様。和奏よりはまともで優しいって自覚してるんだけど」
「はいはい、私は人を利用しまくる悪人よ。」
「悪いとかそういう話をしてるわけじゃないんだけど」
「後ろにあるみかん取って。」
俺の言葉を無視して言う。
後ろを振り向くと段ボールが三つ積んであった。一番上にある段ボールを覗くとみかんが二十個程入っていた。
適当に掴むと二つとれた。結構大きめのみかんだ。美味しそう。
「こたつにはみかんよね〜」
今にも歌い出しそうな声で言う宮…じゃなくて和奏に頷く。
中途半端なところで切れてます(´・ω・`)
毎回タイトルを忘れてしまう…orz