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君と二人で 11

新キャラクター、嵯峨忍サガシノ ヒズミとハヤテ流雨リュウ


誤字・脱字があったらすみません

大学に行くとトモダチと云うものが必ずと言っていい程声を掛けてくる。ウザくなけりゃ迷惑でもないからテキトーに相手にするのがいつもの事だが多少例外もある。

それが大学内でも変態カップルとして有名なハヤテ先輩と歪ちゃん。


「弟君!」

自分が呼ばれたんだとすぐに分かった。俺は一応兄だが弟っぽいと云うのと僕にとっては弟だと宣言されて以来俺のことを弟呼ばわりする人が一人だけいる。

「丁度良い、はぁっ、はっ、歪が探していたら、本棟に、…行ったと言って、くれないか?」

息を切らしながら走ってきたハヤテ先輩が言う。

「りょーかいっス」

舐めていた棒付き飴を口から出し敬礼してみせると先輩は頷き本棟とは逆方向にある別棟に向かって再び走り出す。あっ!

「先輩っ」

呼び止めると走る速度を緩め振り向く。くそっ、いつ見ても男前だぜ…。

「エネルギー補給♪」

ポケットから飴を取り出して投げると三つある飴を一つも落とすことなくキャッチする。

「ありがとう」

優しく微笑む顔は流石紳士、と言いたくなる程キレイで同性でも思わず見とれた。ハーフだから顔の形が外国人っぽくて整っている。超美形。是非とも顔を交換して欲しいものだ。男なら誰でも羨む程の顔だ。当然モテる。しかも男女性別問わずだ。

だが今逃走中ということは相手はあの子しかいない。羨ましいがあそこまでいくと勘弁してほしい…。

カラカラと口の中にある飴を回して遊ぶ。これ何味だろー、うめぇー

ハヤテ先輩を追うように別棟へ向かう。てくてく。カラカラ。

「カヅキちゃん」

鼻歌しながら歩いていると声を掛けられた。低くもなく高くもない、少し幼い声が俺を呼んだ。ハヤテ先輩同様、誰なのかすぐに分かった。

「どした?歪ちゃん」

声のした方を振り向くと案の定、歪ちゃんが立っていた。

「んー…リューくん探してる」

足元にあった歪ちゃんの視線が急に上を向き一瞬目があった。

反射的に体がビクッと痙攣した。

「先輩なら本棟に行ったけど…何かついてる?」

焦点が合っていない目で俺を見ている歪ちゃんに尋ねると小さく微笑むだけで何も言ってこない。…嘘がバレたか?

「ありがと」

暫くの沈黙の後回れ右をしながら言う。

「あ、待って。飴…あげる」

ポケットから一つ取り出して腕を伸ばすと歪ちゃんは振り向き同じ様に腕を伸ばして受け取る。

「悪いものじゃないけど気をつけて」

お礼の代わりに助言(?)を貰った。相変わらず不思議な子。

嵯峨忍歪、ハヤテ流雨のストーカー。って言われてる。

歪ちゃん自身は肯定も否定もしないから俺にはそれがホントなのか分かんない。

俺に分かることは歪ちゃんはハヤテ先輩が好きすぎて病んでる。…病んでるのは昔からでハヤテ先輩に出会ってそれが酷くなったと言った方が正確かな。だけど良い子なのは確かだ。数少ない俺の昔からの友達。

ストーカー疑惑の女の子と超美形のイケメンハーフのバカップル…ってあれ?あの二人って付き合ってるよな?何でハヤテ先輩逃げてるんだろう??

何か違うくね?よく分かんないけど歪ちゃんはハヤテ先輩と結婚するよーな事言ってたから恋仲なのは確かだろう、…よくよく考えると――歪ちゃんは昔からだけど――あの二人は謎が多い。

てか俺の知り合いカップル多くね?

あぁ、かなしい…

カラカラと口の中で鳴る軽快な音とは対照的に俺の心は虚しくなる。

…キモイとか言うな!

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