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スカウト

自由気ままに書いたので分かりづらいこもしれませんが、ご了承下さい

 異世界召喚、または転生といえばたいていの人間は初めだけだったとしても喜んだりするのかもしれない。

 チート持ちで無双したり、使えなかったスキルを有用に使ってみんなを見返したり絶望してもどん底の淵から這い上がって活躍したり、戦えないながらもサポート役で必死に仲間を救ったりするというのが、小説でのセオリーだろう。

 そしてその中で描かれる最大の敵は殆どが()()(人間視点であれば)になる。

 だが僕らは相手取っている敵というのは()()()()だったり魔物だったり勇者だったりなど多岐にわたる。

 今更だが、何故僕らはこんなにも大変な組織に加入してしまったのだろうかと思う。でも後悔がないのは……不思議だな~。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 僕の名前は大西誠。異世界人二世だ。僕の両親が異世界に転移して、いろいろあった結果僕が生まれた。その「いろいろ」はよく知らない。親は物心つく前に馬車にひかれて亡くなったそうだ。僕は母の友人に育てられた。だから僕は義理の母に恩を返すべく、就職に明け暮れていた。看板には求人のチラシが多くあった。


 その中にはギルドという魔物を倒してほしいという案件を冒険者に紹介し、その間の手数料を取るという国際公務員の求人があった。

 なぜ国際公務員なのかというと、冒険者の命を守るために冒険者にランク付けをし、その階級によって受けれるクエストを制限する役割がある。

 冒険者は何万人もいる。

 その中には荒くれ者もおり危害を加えられる恐れもあるし、自分の力量をわきまえずに無茶をしようとする者たちを説得するコミュ力も必要だ。さらに、ギルドを介さない違法な依頼を取り締まるために休日も出勤することもあるため、結構過酷な仕事として有名なのだ。


 王立学校を卒業している僕にとっては楽勝なのだが、賃金がいまいち割に合わない。


「どの仕事を選ぶべきなのか、全く分からなくなってきたな」


 軍隊は論外、ギルドもダメ。冒険者は高ランクになれば生涯安泰といわれているが、下っ端は金しか掛からない。他の職を見ても僕がやりたいと思える仕事はなく、あったとしても賃金が安く生活できないような職ばかりだった。


「君、仕事で悩んでいるな」


 突然話しかけられた。昔、誰かに突然殴られたときの癖で思わず後ろ蹴りをしてしまった。


 (マズイ‼いつもの癖でやってしまった!)


 恐る恐る後ろを振り返るととんでもない高さまでジャンプしてから着地した人間の姿だった。


「いい反応だ。でもまだまだ伸びしろがありそうだな」


「マジでどちら様ですか?」


「俺は斎藤明音(さいとうあかね)。異世界人だが東方諸国連合総会安全対策部戦争犯罪及び国際犯罪取締課下二官統率長をやらせてもらっている」


 長い……名称が長い……どうにかならないのかな。


「名称長すぎやしませんか」


「だよな!君もそう思うよな!俺、この名前覚えるのに5か月くらいかかったもの!」


 流石にかかりすぎ……


「それはさておいて。君、今良い職がなくて悩んでいるね」


「っ!……何故それを」


「君の顔を見る限り図星かな。俺の勤めているところは略して総会支部というんだが、戦争犯罪及び国際犯罪取締課というのは名だけで実際は何でも屋だ」


「……そこに勤めてなんのメリットが?」


「ご飯はタダで食堂で食べられる。買い物も大抵のものは総会支部が負担してくれる。家族手当も出るぞ」


「入ります」


「即答だな。全く悩んでいるようには見えなかったよ」


 そんなに良い組織ならば行くしかない。それに家族手当が出る。恩返しにはピッタリのところだ!


「そこに入るには試験を通過しないといけないのだが、王立学校を卒業している者は試験は免除だ」


「じゃあ、もう早速……」


「ただし、採用条件がある。一つ目は何か一つのことに対して夢中になれること。二つ目は集団行動ができること。三つ目は道徳心を持っていること」


「あなたからみて私はどうですか?」


「人に突然回し蹴りする奴だったとしてもそれは決して人をいじめる為ではなく人を守るためだろう。そんなやつがこの組織にほしい」


「……採用ですか」


「ああ、採用だ。ただ正式に隊員になれるのは養成施設を経験してからになる。頼むよ」


「分かりました」


 そんなこんなで僕は養成施設に行くことにした。

 主な内容は体力面の訓練で剣技などをやったが相手が信じられないほど強い。

 何をやっても防がれてしまって、少し振りが大きくなるだけで剣の軌道や隙を読まれたり突かれたりして完敗だった。

 剣の腕には自信があった。何故ならば王立学校の剣技大会では優勝したからだ。ブランクがあるとはいえ、ここまで完膚なきまでの敗北を味わうことになるとは思わなかった。


「強すぎ……」


「先輩にタメ口とは。君、別の意味で凄いな」


「聞こえていたのですか!!」


 ここから師範のところまで二十メートルくらいある。そんな距離から聞こえるって化物かよ!


「なんだ、独り言だったのか。なら良し」


「何故あなたはそんなに強いのですか?」


「ここに勤めて俺は千年だぞ。そこらの若造に負けてたまるかよ」


 言っている意味が僕には全く分からなかった。千年?つとめて?


嘘でしょ!人間って千年も生きられる訳が無い!


「嘘でしょ」


「またタメ口だ。君の悪い癖だから直しなさい」


 気にするところ、そこ………………?


「すみません。これからは気をつけます……話は戻るのですが千年も努めている証拠は?」


「記録簿見るか?」


「いや、もう大丈夫です……」


 記録簿は公式の記録なのだろう。そこまでして嘘を着く理由もメリットもない。


「何故千年も生きられるのですか……?」


「その理由が分かったら学会で表彰されるよ。でも実際に老化が止まったのはこの支部に入ってからだからこの支部と関係あるのかも……」


「というかこの組織に定年は……」


「あったらもう引退しているよ」


「そうなると僕は……」


「ウチらの規定では支部を辞められるのは辞表を出したときだけなんだ。罪を犯したら支部の規定で処罰される。死刑もウチで行う。その時は辞表は出せないけどね」


「もはや一つの国ですね」


「支部は世界の警察に近いからな。それ以外にも魔王討伐部隊の編成や冒険者の違法行為の取り締まりなど色々やる。養成施設をでた後、そこの部分の説明はされるだろうからしっかりと聞いておけよ」


「魔王も倒すのですか?」


「素手でな。だから支部の上の方の人は魔王より強い。極秘情報だがな!」


 素手ということは魔法もなしってこと……だよな。改めて思う。とんでもないところにきてしまった、と。


「というか上の方と言われても階級制度を知らないのですが」


「まだ知らなかったのか。マイナーな組織だから仕方が無い。下から順にいうぞ」


 ・下二官

 ・下二指揮官

 ・下一官

 ・下一指揮官

 ・中管

 ・上二官

 ・上二指揮官

 ・上一官

 ・上一指揮官

 ・官統率長(定員四名)

 ・幹部(定員九名)

 ・幹部長(定員一名)

 ・議長(定員一名)

 ・総長(定員一名)


 指揮官は各階級ごとに一名づついる


「これが総会支部の大雑把な階級だ。細かくなるとその中の担当……まあ、軍隊的にいえば班ごとに別れてその中に更に階級があるから、しっかりと覚えておけ。俺も時々分からなくなるから」


「どこを見たら階級がわかるのですか?」


「胸元にある星の数で分かる。ただ、星の数が七個以上になったら上がるごとに星の下に線がつく。議長と総長は例外だがな」


「議長と総長のはどういったものになるのですか?」


「議長は赤色の星、総長はなにもない」


 何故総長だけないのだろう……


「総長に階級を示すものがないのはその人が例えようがない存在と言う意味がある」


 そして何故喋ってもないのに僕の疑問が分かるのだろうか…… 


 僕はちらっと師範の隊服をもう一度見てみた。間違っていなければ 階級章がなかった気がするのだが……

 何度見ても()()()()()()。嘘でしょ。一番偉い人とずっと喋っていたの?それも下手な敬語で?

 ねぇ、誰か嘘って言ってほしい……


「さぁ、明日も剣技の特訓頑張れよ!」


 そうしよう、そしてこの組織についてもう少し勉強しよう。そう僕は心に決めた。


難しい設定の本作を読んでいただきありがとうございます!正直な感想でいいのでこれからよろしくお願いします!

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