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ネコマタを引き継いだはなし  作者: ぽすしち


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51/52

おれが追いはらう


 ばあさんはお茶を飲み込むようになんどかうなずくと、ちがうならいい、といいきった。


「トメヤさんが心配になっただけじゃ。 ヒコさんがおれば、わしがいってた《ネコマタ》がきても平気じゃろ」


 かか、と歯のないくちをあけてわらうと、たちあがって、ヒコイチのまえの膳をかたづけようとする。


「おい、まだ厚揚げも食ってねえよ」


「はよお食べんと、このババに《ネコマタ》のおむかえがくるのが先になる」


「こねエよ。 ―― きたって、おれがおいはらう。 まだ、今年のタケノコの煮物だって食ってねえし、糠床だって、ぼっちゃまだって、面倒みるのは、ばあさんしかいねえだろう? そうそう、あの《黒猫》に前、ばあさんからもらった団子食わせたら、うまいって言ってたぜ」

 

 ばあさんは歯のない口をぽかんと開け、団子を食べたかい、となんだかまゆをよせて、わらうような顔をした。




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