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黙っとらんと
「・・・殺された?・・のか?」
刑ではなくて?
きこうとしたら、ばあさんが糠床からとってあらったカブをまな板にのせ、「ほれ、オタキさんはよお、このわしに、しゃべっちまったんでな」と切り始める。
『 しゃべっちまった 』?
「 ―― あ 」そこでようやく、寒気といっしょに怖気がきた。
「 ば、ばあさん、その、 」
箸でつまんだフキをふりまわせば、ふりかえって、行儀がわるい、と叱られる。
しかたなく口にいれると、立派な焼き物の皿にならんだカブを、膳におかれた。
「 《ネコマタ》がしゃべることは、だまっとらんといかんようだ。でも、お店の『騒ぎ』はなア ・・・オタキさんが頼んだのか、オタキさんの仇をうったのかは、わからんが、若番頭さんにくいついて、店に火をつけたのも、《ネコマタ》だわ」




