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その夜
そうして、その夜、いつものように《旦那様》はまた客足がもどってきた店の帳簿をながめ、オウメに「家の中にもう一人手伝いがいたほうがよかろう?」ときいてきた。
オウメはただうなずいて、お膳をかたづけ、いつもの仕事をおえ、《旦那様》に挨拶してから部屋にもどった。
《奥様》にもらった小遣いは、袋にいれたまま、庭のすみに埋めておいた。
布団をしいて、いちど横になってから、そうっとあたりをうかがいながら、外へ出た。
いったい、なにが起きるのだろう?
オタキさんのいってた『騒ぎ』って?




