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店に残ったオウメ
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オタキが捕まってしまい、女中部屋のオタキの荷物はすべてなくなり、ようやく《奥様》の葬儀をおえた《旦那様》も、まえとは違う忙しさで方々へでかけたり呼び出されたりの日をすごし、店での女手が一人になってしまったオウメも、なんだかあわただしく日々をおくり、なかなかオタキに会いにゆくことができずにいた。
人をよばずに、ひっそりとうちわだけですまされた葬儀には、元の店からは大番頭さんしか顔をださず、調べをうけて家にもどった大旦那様は、もう外にだせる様子ではないと、かなしそうにつぶやき、あのオタキがなあ・・・とうなるように腕をくんだ。
「 ・・・おまえには、いろいろ悪いことをしたと若旦那がなんども言っててねえ。大旦那さまがむかし言ってたように、オタキとお前をさきにそわせていたら、こんなめにあわせずすんだろうってねえ・・・」
オウメはお茶を運ぶ足をそこでとめた。




