表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/52

その日から


 オタキがオウメの両肩をつかみ、ささやくように、さっきの《奥様》のようなやさしいこえできいた。


「 ―― おくさまは、あんたといつも、どのあたりでわかれるんだい?」



 きゅうに肩が重くなったようにかんじたオウメは、いつもわかれるお寺のちかくの道をおしえた。





 その日から、オウメは、オタキのことが、こわくなってしまった。





 店の中でオタキはあいかわらず《奥様》を「あんな女」よばわりし、《奥様》の身の回りのことはかわらずオウメだけがした。

 ほかの掃除や炊事はいっしょにしたが、まえよりもはなすことが減った。

 とくに、《奥様》について外にいったときなど、もどってきたオウメとは、ひとことも口をきかない。



 そりゃ、ついてゆくだけで小遣いをもらえるのが、腹立たしいのだろうとオウメも思った。だが、それで小遣いをことわるようなことは考えなかった。


 いちど、オタキはもしかしてあとをついてきているかも、とおもい、何度か振り返ってみたことがあるが、オタキをみたことはない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ